サイレント映画だ。

〔監督・原作〕小津安二郎
〔出演〕
岡田嘉子
江川宇礼雄
田中絹代
奈良真養 ほか

 

東京のアパートで暮らす貧しい姉弟のお話。
弟は姉に学資を出してもらって大学に通っている。姉は昼はタイピスト、夜は大学関係のアルバイトをしているはずだった。
やがて弟は恋人から姉の秘密を打ち明けられる。

 



細かい描写が印象的な室内心理劇
部屋一面に壁紙、和服も柄物オンパレード。完全に欧米映画の影響を受けている。
原作のエルンスト・シュワルツは小津のペンネーム。

洋装の岡田嘉子ももちろんだが、和服姿の岡田嘉子もやたらとバタ臭い。当時の女優としては希有な存在だったのではないか。
実はこの映画は検閲されていて、岡田嘉子共産党のスパイをやってることが、ぼかされている。ただ酒場女をやってたわけじゃない。

実際、1933年ナチスが政権を取り、それに呼応するかのように、日本は国際連盟から脱退した。後年、映画の設定のように岡田はソ連に亡命している。

恋人役の田中絹代はぽっちゃりして、二重あごだった。ちょっとショック。服装はというと、和風も和風、べたべたの大和撫子だ。伊豆の踊子を演じていた頃だから、まだ幼さが残っていた。

 

東京の女 (小津安二郎監督)1933 松竹蒲田

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