小雨が降ってきた中山競馬場。9Rのグッドラックハンデ、芝2500mのレースはスローペースの上がりの競馬ながらながら2分36秒3で15番枠の馬が勝つ。有馬記念も小波乱のムードがする。だいたい4歳勢が主力視されていたが、それほど信用出来るとは思えない。パドックを見ても、ぱっとした馬はいない。レイデオロは天皇賞・秋の勝ち方が強かったから、今回も走るだろう。JC2着キセキは秋四走目だけにさすがに無理だろう。牝馬モズカッチャンは牡馬との混合重賞で実績がないのでヒモまで。

降り続けているため、内が悪くなってきている。レースは障害の王者オジュウチョウサンが好スタートを切るが、ミッキーロケットがぴったりマークし、さらにキセキが一周目の四角で7枠から内に切れ込んで先頭を奪う。二枠のモズカッチャン、マカヒキは好位のイン、真ん中でやや揉まれるのはクリンチャー、その外にはサウンズオブアースが付ける。ブラストワンピースは中段の外、レイデオロはその後ろだ。シュヴァルグランはさらにその後ろに付ける。

前半1000mは1分0秒8、この馬場では速い。前に行く馬は総崩れになりそう。向正面ではキセキが行く気になってしまい、5馬身ほど離して逃げる形。オジュウチョウサンは離れた二番手ではなくて、ミッキーロケットとサウンズオブアースにマークされる形。四角手前から先頭との差が詰まり、外から上がっていくブラストワンピースの手応えが良さそう。

残り100mでオジュウチョウサンを振り切ったミッキーロケットが先頭に立とうとするところを、ブラストワンピースが一気に差し切り、レイデオロがその外から馬体を併せようとするが、短い直線のためいつもの決め手が使えない。結局、ブラストワンピースが優勝し、レイデオロは首差の二着まで。終わった頃に追い込んでシュヴァルグランが三着に入る。外国人騎手のメインG1連勝記録をストップしたのは池添騎手だった。

 

 

ブラストワンピースの勝ち時計は2分32秒2(上がりは35秒7)。稍重にしては好時計。ただ内枠の馬が沈んだように、インコースは不利だったようだ。オジュウチョウサンの出走のおかげで思わぬ乱戦を制したと言うべきだ。管理する大竹調教師の父親大崎昭一元騎手の初GIは、ダイシンボルガードの勝った泥んこダービーだから道悪競馬に縁がある。ハービンジャー産駒は有馬記念初勝利だが、モズカッチャンが2200mのエリザベス女王杯を勝っているので2500mも入ると思った。

三歳馬の有馬記念優勝は一昨年のサトノダイヤモンド以来だが、G1未勝利馬の優勝は勝ち馬と同じシルクの所有馬であるシルクジャスティス以来21年ぶり(それ以前はオグリキャップ、リードホーユー、イシノアラシの三頭がいた)。オグリキャップはマル地でクラシックに出られなかったから別格として、他の優勝馬が以降重賞未勝利(イシノアラシはオープン勝ち)なのは気になるデータだ。

レイデオロはルメール騎手の仕掛けが遅れた。実は、のめって足を取られたらしい。こういうときは早めに仕掛けた方が楽に行けるものなのだ。ケガしていなければ、来年も日本馬の中心になりそう。

オジュウチョウサンは、枠順が悪かったと思う。最内は晴れ馬場と違って雨が降っている最中、走りにくいものだ。ミッキーロケットと枠順が逆ならもう少し見せ場が長く続いただろう。馬主は「もっと積極的に乗れ」と怒っていたそうだが、これは大逃げを指しているようだ。道中でペースを落として、残り800mで再び加速というのだが、それが出来るのは、手慣れた石神騎手だけだろう。

先行したG1馬ミッキーロケットは4着、キセキは5着と思ったほど大崩れしなかったが、これは驚いた。ともに力の掛かる馬場に合っていたのだろう。

 

有馬記念 2018 唯一の三歳馬ブラストワンピースがハイペースに乗って有力古馬勢をなで切り

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