テレビドラマ「月光仮面」第2部サタンの爪を東映が再び映画化したもの。年末に上映され、前作同様に大村文武が主役祝十郎を演じ、助手の五郎八は柳谷寛カボ子は若水ヤエ子が演じている。
バラダイ王国のシャバナン殿下が来日中暗殺され王国の秘宝のありかを示す地図が奪われた。事件に乗り出した名探偵祝十郎は、殿下の女中がサタンの爪の部下ベレーのお由に毒殺される直前、「アラーの眼と言う宝石が横浜にいる殿下の愛妾昌子と殿下の娘不二子の元にあることを聞き出した。しかし母娘はすでにサタンの爪により誘拐された後だった。敵のアジトに二人がいるところを月光仮面が急襲し昌子は救うが、不二子はお由の手に落ちた。
地図とアラーの眼の他に呪文があれば、バラダイ王国の秘宝が手に入る。祝探偵は呪文を知ると言う結城博士を訪ねるが、ここもサタンの爪が一足早く博士から呪文を聞き出し、祝探偵は地下室に落とされた。そして爆弾を仕掛けて祝、結城、不二子の皆殺しを図る。そのとき、どこからともなく月光仮面が現れ地図とアラーの眼を奪回し、さらに結城、不二子を救い出した。数日後、祝十郎、結城博士、不二子はバラダイ王国へ向かって機上の人となった。
ところがバラダイ王国でサタンの爪は生きていて、タムラカンの洞窟の中で不二子を襲う。
後半は、国士であった川内康範の東南アジア趣味が炸裂していた。
この作品は全2作のように二部作でなく、一本1時間程度の短い映画だ。うまく内容を盛っているが、いかんせん度々のアクションが毎度単調だ。これは川内の責任だろう。
出演者のうち昌子役は月丘千秋、不二子はわずか8歳の松島トモ子を起用し、松島が東南アジアの歌を振り付け付きで歌うシーンも用意されている。
しかしこの映画の主役大村文武の隣すなわち二番目にクレジットされていた小宮光江が前作同様に敵役だが前作と違って、美しくメイクされ活躍したのが記憶に残った。前作では最後は改心して祝十郎を助けて同僚に撃たれ死ぬ役だったが、今回は猛獣使いとなり改心せぬまま最後は地割れに飲まれる役どころだ。
同じく原泉も敵方で再登場、今回は時代劇キャラではなく東南アジアのキャラ、マリンのオタキだ。しかしこれといって活躍シーンはなかった。この役は必要だったのだろうか。
監督 若林栄二郎
脚色 川内康範 、 織田清司
原作 川内康範
月光仮面 ?
祝十郎 大村文武
サタンの爪 植村謙二郎
浅川昌子 月丘千秋
浅川不二子 松島トモ子
袋五郎八 柳谷寛
カボ子 若水ヤエ子
結城博士 松本克平
ベレーのお由 小宮光江
マリンのおたき 原泉
月光仮面・魔人(サタン)の爪 1958 東映

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