ワールド製菓宣伝部の新入社員西と合田課長は、特売商戦を目前にしている。
ある日、CMタレントとして虫歯のある個性的な女、京子をスカウトする。
カメラ雑誌に早速登場させるが、カメラマンがスカウトした形にした。
京子も西のことが気に入り、仕事に力がはいる。
着々と京子のマスコミへの売り込みは成功し、十分に話題作りをしてから、ワールド製菓のCMに登場させた。
京子が宇宙服を着て、これからの宇宙時代を先取りしたものだったが、ワールド製菓の売上はいっこうに伸びない。
ライバル社アポロ製菓が、一生涯の生活資金プレゼントという巨額の懸賞金を目玉に、一大ブームを起こしたのだ。
しかし天の僥倖か、アポロの工場が火災を起こし、生産はストップする。
ワールドは失地を挽回しようと生産のペースを上げる。
京子は売れれば売れるほど、すれてきてわがままになる。
合田は西に「京子を抱いて、言うことを聞かせろ」という。

最近、昭和30年代がノスタルジックな時代だったと思われているが、実は今とちっとも変わらない。
日本は当時からすでに競争社会であり大衆社会であり、またマスコミの時代だった。

この二年後に、川口浩と野添ひとみは結婚した。
高松英郎は実際より10歳老けた役を演じていたため、やや貫録に欠けた。
しかし五年後の「黒の試走車」の好演をイメージするには十分な演技だった。
小野道子の演技がこの中で一番自然に見えた。
さすが長谷川一夫の娘である。
こういう人をどうして脇役で使うのかな?
また田宮二郎が、台詞はあるがクレジットのない役で出ている。

原作は開高健
デビュー作「パニック」発表の直後の昭和32年10月に発表された。
芥川賞を取った「裸の王様」はこの次の作品である。

監督 増村保造
出演
川口浩 (ワールドの新入社員・西洋介)
野添ひとみ (島京子)
高松英郎 (宣伝課長合田竜次)
信欣三 (宣伝部長矢代光平)
伊藤雄之助 (カメラマン春川純二)
藤山浩一 (西の親友・横山忠夫)
小野道子 (アポロ製菓宣伝部員・倉橋雅美)
山茶花究 (ワールド製菓社長・東隆蔵)

なおgoo映画のあらすじは2007年2月現在、小説のあらすじであり、映画のそれとは違う。

巨人と玩具 1958 大映

投稿ナビゲーション


巨人と玩具 1958 大映” への0件のフィードバック

  1. 巨人と玩具

    『巨人と玩具』見ました。
    初めは柴田吾郎ちゃんを探す目的で見てたんですが(おいおい)、かなり面白かったです。大収穫だ。製品版のDVDが欲しいくらい。
    これを見てると、今も昔もあんまり変わらないんじゃないかって思います。映画の公開が1958年なんですが、…….

  2. 開高健の紅茶、世界で一握りの紅茶

    開高健が生きていた頃番組で紅茶をやったんです。アラブのオイルダラーにしか手に入らない世の中で本当に貴重な紅茶が手には入ってこれがこれといってテーブルの上うえの紙

  3. ■スーパーモデルの失敗しようがないダイエット法!!■

    ダイエットと言うものは、個人の体質に影響を与えます。
    リバウンドってご存知ですよね?
    リバウンドを繰り返すと、どんどんやせにくい体質になります。
    また、ダイエット法を誤ると体に悪影響を及ぼします。
    効果的な足痩せ法・バストアップ法もご覧下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です