今日は冬のCD名盤をご紹介。

坂田晃一は早稲田高等学院でチェロを趣味として弾いていた。
最初は建築家を目指していたが途中で気が変わって、東京芸大器楽科へ進学してしまった変わり種というか天才である。

彼の音楽は誰でもすでに耳にしている。
実はアニメ「母をたずねて三千里」の音楽監督をやっていた。
オープニング「草原のマルコ」、エンディング「かあさんありがとう」を作曲している。

ちなみにこの作品の演出は東大卒の高畑勲であり、僚友宮崎駿がシリーズの作画レイアウトを行っている。
またマルコ役を演じた松尾佳子は最近も「たまゆら」で祖母役として活躍している。

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今回紹介するCDは、坂田が作曲したテレビドラマの主題歌、挿入歌のアンソロジーだ。
主に70年代から80年代初頭にかけての曲が収められている。


1. さよならをするために 
  ビリー・バンバン (日本テレビ系グランド劇場「3丁目4番地」) 

2. 冬物語 
  フォー・クローバース (日本テレビ系月曜スター劇場「冬物語」) 

3. 愛の伝説 
  まがじん (日本テレビ系グランド劇場「さよなら・今日は」) 

4. さよなら、今日は 
  朝倉 理恵 (日本テレビ系グランド劇場「さよなら・今日は」) 

5. 誰のために愛するか 
  朝倉 理恵 (NET系「誰のために愛するか」) 

6. 旅路 
  風車 (読売テレビ系「氷紋」) 

7. めぐりあい 
  真木 悠子 (読売テレビ系「北都物語-絵梨子のとき-」) 

8. 帰らざる日々 
  ソニア・ローザ (NHK銀河テレビ小説「帰らざる日々」) 

9. 風の挽歌 
  小坂 恭子 (読売テレビ系「野わけ」) 

10. 海の悲歌 
  古谷野 とも子 (日本テレビ系火曜劇場「夏の影」) 

11. 情熱 
  鹿内 孝 (読売テレビ系「冬の陽」) 

12. 白い旅 
  浅丘 ルリ子 (読売テレビ系「新車の中の女」) 

13. 目覚めた時には晴れていた 
  伝書鳩 (日本テレビ系グランド劇場「二丁目の未亡人は、やせダンプといわれる凄い子連れママ」) 

14. さよならの夏 
  森山 良子 (読売テレビ系「さよならの夏」) 

15. あの空へ帰ろう 
  チェリッシュ (NHK連続テレビ小説「雲のじゅうたん」) 

16. アゲイン 
  山本 達彦 (読売テレビ系「渚の女」) 

17. いい夢みろよ 
  西田 敏行 (日本テレビ系グランド劇場「池中玄太80キロ(2)」) 

18. もしもピアノが弾けたなら 
  西田 敏行 (日本テレビ系グランド劇場「池中玄太80キロ(2)」) 

19. 鳥の詩 
  杉田 かおる (日本テレビ系グランド劇場「池中玄太80キロ(2)」) 

20. みち潮 
  由紀 さおり (ボーナス・トラック) 

21. 風のマドリガル 
  朝倉 理恵 (ボーナス・トラック) 

22. 白い季節 
  西 玲子 (ボーナス・トラック) 


前半は浅丘ルリ子の全盛期と重なり、彼女の主演作が多い。
しかしもっともヒットした曲は西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」である。

最近では「さよならの夏」がスタジオ・ジブリのアニメ映画「コクリコ坂から」(2011年)の主題歌としてカバーされている。


私が忘れられないのは、渡辺淳一原作ドラマ「北都物語」の主題歌「めぐりあい」(唄・真木悠子)だ。
女優金沢碧のデビュー作でもある。


また朝倉理恵、古谷野とも子、西玲子の歌は、70年代女性ボーカルマニアにはたまらないだろう。


題名だけを見たってリリカルな作品が集められていることがわかる。
坂田節には鎮静剤作用があるのだ。
テンションをアゲアゲにしたいときに聞く音楽ではない。
どうか寝る前にお聞きください。

 

坂田晃一 テレビドラマ・テーマトラックス

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