ほとんど無駄死にになってしまった人間魚雷回天の話。どうして大学まで卒業させながら、そんな確実性の低い戦術で命を散らさなければならないのか。軍部はアホか。
 
海軍ものながら、悲恋も交えて描くので、ヒロイン役として津島恵子が出てくる。
 
監督は松林宗恵、主役は岡田英次木村功宇津井健。共演は津島恵子
 

あらすじ

 
戦争末期、信頼性の低い人間魚雷回天を操縦者の腕でカバーしようと、猛特訓が行われていた。隊員の大半は学徒出陣の予備士官だった。実習中に多くの犠牲者を出したことから、隊員は作戦に懐疑的になっていた。教官の関屋中尉は彼等に同情したが、隊長は無気力だと言って殴った。そこへ出撃したはずの村瀬少尉が生還してまった。船が動かなくなったのだ。
やがて隊員に出撃命令が下りた。村瀬は汚名挽回と張り切った。玉井は料亭の一室で恋人早智子と愛し合おうとしたが、初めてだったので不覚にも出来なかった。朝倉少尉は一人宿舎に残り、大学の先輩である田辺と語り明かした。
関屋、朝倉、村瀬、玉井を乗せた潜水艦が出発した。敵駆逐艦に潜水艦が会ったとき関屋教官は回天に乗り込み、敵に体当りをして散った。帰投命令が出ていたが、潜水艦は敵艦隊をキャッチした。朝倉、玉井、村瀬は回天に乗り込んだ。玉井と村瀬は敵に突っ込んだが、朝倉の船は故障して海底に沈んでしまった。
 

 

雑感

 
当時の加藤嘉は、冷酷な悪役も多かったのだが、ここでは年老いた水兵役で出演している。途中の岡田英次と出撃前夜に語り合うシーンはジーンとくる。

 
新東宝プロパーと言えるのは、宇津井健なので、彼が一人仁王立ちしている姿がDVDジャケットに使われている。実際は岡田英次木村功の二人が主役である。新東宝出身はもう一人丹波哲郎が端役で出ているが、貫禄がありすぎて上官役だw。
 
津島恵子のバレエシーンが挿入される。彼女はバレエ教師で東宝に出入りしていたのを、スカウトされた。
 

スタッフ・キャスト

 
監督 松林宗恵
原作 津村敏行 、 齋藤寛
脚本 須崎勝彌
企画 廣川聰
撮影 西垣六郎
 
配役
朝倉少尉 岡田英次
玉井少尉 木村功
村瀬少尉 宇津井健
川村少尉 高原駿雄
岡田少尉 和田孝
関屋中尉 沼田曜一
陣之内大尉 原保美
石丸中尉 加藤嘉
有馬少佐 細川俊夫
田辺一水 信欣三
大野上水 殿山泰司

真鍋早智子 津島恵子
碇荘の女将千代 坪内美子

 

人間魚雷回天 1955 新東宝 製作配給 戦争映画

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