(☆)イタリアリビエラを舞台に作られたラブ・コメディ映画
スタンリー・シャピロモーリス・リッチリンが共同脚本を書きロバート・マリガンが監督している。

主演はロック・ハドソンジーナ・ロロブリジーダ
共演はサンドラ・ディー、ボビー・ダーリン、ヴァルター・シュレツァク

あらすじ

ニューヨークの実業家ロバート・タルボットは、毎年9月にイタリア・リビエラの別荘で、ローマ美人リーザと一ヵ月過ごしていた。今年は、仕事の関係で7月に突然リビエラにやって来た。

リーザは、いつまでもプロポーズしないタルボットを捨ててイギリス人の富豪スペンサーと結婚する予定だった。しかし、電話でタルボットの声を聞くと、喜んで彼の別荘に向かう。
別荘では、管理人モーリス・クラベルが主人の留守中に内緒でホテルを開業していた。そのタルボットが季節外れの時期に来てしまった。間の悪いことに、サンディらアメリカ人女子大生たちとお目付役のアリソンがちょうど宿泊していた。

タルボットが別荘に到着すると、女子大生らがいた。事情を知ったタルボットは、彼女らを追い出すようにクラベルに命令した。そこにリーザが到着し、事情を聞いた彼女は一晩だけ女子大生を泊めることをタルボットに認めさせる。

翌朝、彼女らは別荘を発とうとしたが、アリソンがクラベルの抜いたワインのコルクに躓いて一日だけ入院してしまう。出発は延期される。トニーらアメリカ人男子大学生が別荘の正面にテントを張ってキャンプを始めたうえに、女子大生たちとスクータでピクニックに出かけると言い出した。野放しにすると情事を起こしてアリソンに訴えられることを危ぶんだタルボットは、リーザを連れて彼らとピクニックに出かけて、男女交際を邪魔し続ける。夜は、彼らとクラブで歌ったり踊ったりするが、タルボットの方がよほど楽しんでいる。トニーは何とかしてサンディと二人きりになる時間が欲しいので、タルボットに酔いつぶしてしまおうと酒に誘うが、逆にトニーらが酔わされてしまう・・・。

雑感

他愛のない、リゾートでのラブコメ。ロケは、細切れにリビエラで収録したため、製作完了と公開までに一年かかったという話だ。

ボビー・ダーリンは「スプラッシュ・スプラッシュ」「マック・ザ・ナイフ」などを作曲した才能豊かな歌手だったが、持病がもとで若くして亡くなった。この映画でゴールデン・グローブ新人賞を受賞している。歌だけでなく演技センスも確かに良さそうだった。またこの映画は、サンドラ・デイとボビー・ダーリンの出会いのきっかけになり、後に二人は結婚して一子をもうけた(その後、離婚)。それ以前に曲を提供したコニー・フランシスと付き合っていたが、親に反対されて別れさせられた。

ロック・ハドソンは、ラブコメでドリス・デイとよく共演していた時期だ。
ジーナ・ロロブリジーダは、1953年「悪魔をやっつけろ」(共演ハンフリー・ボガート)以来コンスタントにハリウッドに招かれて映画に出演していた。
ヴァルター・シュレツァクは、チェコ系ユダヤ人俳優で1930年代にアメリカに渡ってきた。以来、長く名脇役として活躍した。

スタッフ

監督  ロバート・マリガン
製作  ロバート・アーサー
脚本  スタンリー・シャピロ、モーリス・リッチマン
撮影  ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽  ハンス・J・サルター
主題曲  ボビー・ダーリン「九月になれば」

 

キャスト

ロバート・タルボット(社長)  ロック・ハドソン
リーザ・フェリーニ  ジーナ・ロロブリジーダ
サンディ・スティーブンス  サンドラ・ディー
トニー  ボビー・ダーリン
モーリス・クラヴェル  ヴァルター・シュレツァク
マーガレット・アリソン  ブレンダ・デ・バンジー
アンナ  ロザンナ・ローリー
スペンサー  ロナルド・ハワード
ビーグル  ジョエル・グレイ
スパロー  ロニー・ヘイレン  
リンダ  ジョーン・フリーマン

 

***

翌朝、アリソンが戻ってきたので女子大生は出発する。いつまでもプロポーズをしないタルボットに怒ったリーザも一緒に別荘を出て行く。タルボットはクラベルを連れてリーザの跡を追う。彼は途中で故障した車を捨てて、鶏の運搬車を買い上げて追うと、警察に逮捕される。クラベルは、一計を案じてリーザも共犯として逮捕させる。弁護士のおかげで漸く無罪放免となったタルボットとリーザだが、二人の喧嘩は続いていた。
リーザはローマのアパートに戻り、スペンサーとの結婚式を挙げることにする。しかし、サンディから女も素直になった方が良いと教えられ、タルボットを追いかけるのだった。サンディの元にもトニーが戻ってくる。
タルボットとリーザは別荘に戻るが、早くも次の宿泊客がやって来ていた。それがシスターたちだったので、二人が結婚していないのでは無いかと怪しむが、リーザは、ニッコリと微笑んで左手薬指に輝く指輪を見せるのだった。

 

九月になれば Come September (1961) A7 Pictures+ラウール=ウォルシュ製作 ユニバーサル配給 ロック・ハドソンとジーナ・ロロブリジーダ共演のラブコメ

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