天才監督プレストン・スタージェスがパラマウントに残した傑作スクリューボール・コメディ。
どうしても「レディ・イブ」でヘンリー・フォンダにドリフターズのようなベタなコメディをやらせた後だけに、比べられるんだが、また違った意味での面白さがあった。
スタージェスはこれほどの才能がありながら、戦後は映画会社を次々と解雇され忘れ去られて、58歳でヨーロッパで客死した。
戦争が終わり時代が明るくなるにつれ、スクリューボール・コメディを求めなくなったのだ。暗い時代だからこそ受けたジャンルだった。こういうコメディは暗い時代の憂さ晴らしだったのだ。

 

 

あらすじ
トゥルーディは未成年だが色気付いてきた女性。警察官の父と妹の三人暮らしだ。第二次世界大戦が佳境に入って、彼女は出征パーティーの夜、兵士と偽名結婚した上、一夜の間違いを起こしてしまい、妊娠してしまった。しかも夫になった男性はそうとは知らずに出征してしまった。
トゥルーディの幼馴染ノーヴァルは打ち明けられ動揺するが、愛する人を救うにはプロポーズするしかないと考える。
しかし問題はトゥルーディが離婚しなければならないこと。そこでノーヴァルは無い知恵を絞るが、その考えが甘くて刑事訴追されて収監されてしまう・・・。

 

 

ラストは、いつものスピーディなドタバタ劇だ。しかし声を上げて笑ってしまうこと請け合いである。
アメリカの制度で変なところはいくらでもあるが、今回は結婚制度について勉強になった。偽名結婚しても有効なのだそうだ。また治安判事がモーテル(ラブホ)を経営していて、婚姻届を提出すれば一緒に宿泊できたそうだ。なんと効率的なのだ。

 

 

歌手兼女優ベティ・ハットン(アニーよ銃をとれ)がストレートプレイで初の主演をしている。演技は固いが、周りのコメディアン俳優が体を張った演技で楽しませる。とくにノーヴァルエディ・ブラッケン)、トゥルーディの父(ウィリアム・デマレスト)妹(ダイアナ・リン)が良い。

 

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スタッフ
監督: プレストン・スタージェス
製作: プレストン・スタージェス
脚本: プレストン・スタージェス
撮影: ジョン・F・サイツ
音楽: レオ・シューケン 、チャールズ・ブラッドショウ

 

キャスト
エディ・ブラッケン
ベティ・ハットン
ウィリアム・デマレスト
ダイアナ・リン
ブライアン・ドンレヴィ
エイキム・タミロフ
ポーター・ホール
アルミラ・セッションズ
ジミー・コンリン
チェスター・コンクリン

 

モーガンズ・クリークの奇跡 1944 パラマウント配給 プレストン・スタージェス監督・脚本の傑作コメディ

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