安田記念を連闘で優勝したモズアスコット、安田記念2着馬で昨年NHK杯優勝の先行馬アエロリット、前年の覇者ペルシアンナイトが人気となっていた。他に昨年の皐月賞馬アルアイン、昨年の朝日杯FS2着馬ステルヴィオ、前走富士Sの勝ち馬ロジクライが単勝10倍を下回る大混戦。

天皇賞2着のサングレーザーは残念ながら欠場した。

週中は雨の心配もなされたが、当日まで降らず晴の良馬場。時計はやや掛かる状態だが、今週からCコースなのでインが伸びる。

馬体重で気になるのは、ほとんどプラス体重だったこと。マイナスはエアスピネルとロードクエストだけ。狙っていたアエロリットが前走毎日王冠10キロ増に次いで、今回も8キロ増。いくら馬肥ゆる秋と言っても牝馬にしては太すぎるだろう。

パドックで気になったのは、やはりアエロリットの太目残り、天皇賞・秋は使いたくても使えなかったのだろう。モズカッチャンはチャカ付いているが、マイル戦なら構わないと思った。

予想は外人騎手の馬連ボックス買い。それからスワンSの勝ち馬ロードクエストの三着固定三連単だ。

レースは、アルアインとロジクライが鼻を主張するかと思ったが、ペースが遅すぎてしびれを切らしたムーア騎乗のアエロリットが向正面で先頭に立つ。それまでに外を回したので足を使っている。前半1000m58秒8と、このメンバーにしてはスローな流れ。後方勢は苦しくなってきて外を回すが、四角でモズアスコットがロードクエストに鼻先をかすめられ、レーヌミノルとミッキーグローリーに挟まれてズルズル下がる。アエロリットはアルアインに直線入口で交わされ、これも下がっていく。

アルアインが押し切るかと思われたが、残り200で内側の第2コースからビュイックのステルヴィオが内に刺さりながら鋭く伸びる。ペルシアンナイトも最内から伸びるが、アエロリットとステルヴィオに挟まれて狭いところを通される。

 

 

結局、一着は三歳馬ステルヴィオ(父ロードカナロア)ビュイック騎手とともにJRA-GI初制覇である。もっともビュイックは春に世界中のGIを勝ちまくっていたから、嬉しくも何ともないだろうが。時計は1分33秒3と遅い。上がりも34秒1だった。ただ鞍上の手綱捌きはやはり英ダービージョッキーならではのものだった。

アタマ差の二着は皐月賞と同じ形で負けたペルシアンナイト。鞍上のデムーロはもう少し前を警戒すべきだったな。

三着は早め先頭のアルアイン、結果論だが力の掛かる馬場ならこれぐらい走っても不思議はなかった。

上がり一位は4着のカツジと5着のミッキーグローリーである。ちなみにこの二頭はカツジがミッキーグローリーの全弟である。ペースが速くなればもっと上に来たかも知れない。

レースとしてはペースが緩すぎてマイル戦らしくないというのが正直なところだ。

マイル戦では4歳の天下が続くと思ったが、意外に三歳が強くて来年が楽しみである。

マイルチャンピオンシップ 2018 ステルヴィオ – ビュイックが初JRA-GI制覇

投稿ナビゲーション