アメリカのホラー作家であるリチャード・マシスンが自分の作品を自ら脚色して当時評判になった作品。小学生のとき、雑誌に映画宣伝用の短編マンガが載っていて薄気味悪い思い出があった。

 

英国のに五日間閉じこもって霊が存在するか否か調査してほしいと、大富豪から科学者バレット夫妻心理霊媒師フローレンスさらに20年前に同じ館で調査に参加してただ一人無事だった物理霊媒師フィッシャーの四人が高額の報酬とともに依頼される。早速12/20日月曜日から調査に入る。期限は金曜日クリスマスイブだ。この館は1919年に富豪のエメリット・ベラスコが建て、酒池肉林の限りを尽くし最後は二十七人の惨殺死体を残してエメリット自身は消えてしまった。バレット博士は霊そのものは信じなかったが人間の心理に与える作用は認めていた。そこであらゆる物理力を抑える電磁波発生装置リバーサでいかにも淀んだ空気をクリーンにしようとした。しかしフローレンスにエメリットの息子ダニエルが乗り移ってリバーサを壊そうとする。幸い未遂に終わったが、フローレンスはその後十字架の下敷きになって死んだ。バレット博士の実験は一見成功したようだったが、突然計器が動き出しシャンデリアが落ちてきて死んだ。残ったベン・フィッシャーとアン・バレットはバレットが死んだ礼拝堂の謎を解こうとする。すると突然ステンドガラスが割れ、中からまるで生きているような人間の遺体が見つかった。彼こそが惨劇の犯人にして館の所有者エメリットだった。

 

霊になってバレット博士らを殺したエメリットは自分が45年前から今日のことを予測していて居室を静電シールドしていたと言う。
でも調査するより、取り壊す方が怖いだろう。それともイギリスには新築の概念があまりない?

 

かつての天才子役ロディ・マクドウォールはA級仕事が減っても、B級仕事を真面目にこなしていた。
日本生まれのホラー女優パメラ・フランクリンと熟女ゲイル・ハニカットはお色気要員だった。
予算があまりかかっていない映画だ。あと2年でハリウッドではスター・ウォーズが映画になるときに、LEDがないリバーサーとは唖然とした。でも日本も当時円谷プロにさせても同じような装置を作っていたろうな。
総じて目の付け所は良かったのだが、参加人数が少ない。予算のせいなのだが、それにしてもエキストラでもいいからどんどん殺して欲しかった。主要登場人物が四人では前半の間が持たない感じがした。最後に生き残る二人も魅力的ではない。

 

監督 ジョン・ハウ 
製作 アルバート・フェネル 、 ノーマン・T・ハーマン
製作総指揮 ジェームズ・H・ニコルソン
原作脚本 リチャード・マシスン
撮影 アラン・ヒューム

出演
フローレンス パメラ・フランクリン
ベン  ロディ・マクドウォール
バレット クライブ・レヴィル
妻アン ゲイル・ハニカット
ドイチュ ローランド・カルヴァ

ヘルハウス 1974 英国/20世紀フォックス

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