1943年から1954年にかけて実在した全米女子プロ野球リーグの選手たちの奮闘を描いたスポーツ映画

監督、製作総指揮はべニー・マーシャル、製作はロバート・グリーンハットエリオット・アボット、ペニー・マーシャル、脚本はローウェル・ガンツババルー・マンデル、原作はキム・ウィルソンケリー・キャンディール、撮影はミロスラフ・オンドリチェクが担当。

主演はジーナ・デイヴィス、ロリ・ペティ、共演はマドンナ、トム・ハンクス

あらすじ

1943年、戦時中のアメリカでプロ野球選手たちは次々と出征し、メジャー・リーグ運営は窮地に陥っていた。オレゴンに住むソフトボール選手ドティ・ヒンソンとキット・ケラー姉妹を女子プロ野球のスカウトが訪ねて、全米女子プロ野球リーグに参加しないかと尋ねる。ドティは、夫が出征中であり乗り気でなかった。しかし妹キットに説得されて、2人はセレクションを行うシカゴに乗り込んだ。

ドティとキットは共に選ばれ、ロックフォード・ピーチズに配属された。ダンサーあがりのメイや器量は悪いが猛打者マーラ、子連れのエブリンなど色とりどりの選手が集まった。
監督は、メジャー・リーグで1シーズン58本の本塁打を放ったことがあるが、ケガで引退し酒びたりになったジミー・ドゥーガンだ。最初は女子野球など馬鹿にしていたジミーも、ドティたちのガッツあふれるプレーで、真剣に野球に取り組むようになる。

プレーオフ出場が決まり、チームが一丸となったと誰しも思った日、投手交代をきっかけにドティと喧嘩したキットは敵のラシーン・ベルズに緊急トレードされた。ドティは、人知れず泣いた。
そこへドティの夫が、傷病兵として除隊し緊急帰国してきた。急遽ドティはチームから去りオレゴンに戻る。

ピーチズは、ワールド・シリーズに出場してベルズと対戦するが、ベルズが先に二つ勝ってピーチズが一勝を返す。しかし第四戦でベルズは3勝目を挙げ、王手を掛ける。そこからピーチズが連勝して逆王手をかけて、ついに勝負は第七戦で決することになった。
ドティなしでピーチズはよく戦ったが、代理捕手アリスは慣れないポジションに心身ともに疲れていた・・・。

雑感

さすがペニー・マーシャル監督だ。泣くところはないが、くすりと笑うシーンの連続で、目が離せなくなる。
また、さすがに10本目の映画出演で、マドンナの演技は上手かった。

米国女子プロ野球は、1943年から始まり、最初は4チームで前後半の2シーズン制を敷いたそうだ。ピーチズとベルズは所属していたが、実際にワールドシリーズに出場したのは、ラシーン・ベルズとサウスベンド・ブルーソックスである。
ドティのモデルは、二人いる。共にソフトボール界のスター選手であり、引き抜かれたのである。

ジミー・ドゥーガンのモデルは、野球ファンなら明らかである。フィラデルフィア・アスレティックスのホームラン・バッターであるジミー・フォックスだ。4回ホームラン王になっている。

スタッフ

監督、製作総指揮  ペニー・マーシャル
製作  ロバート・グリーンハット、エリオット・アボット
脚本        ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル
原作  キム・ウィルソン、ケリー・キャンディール
撮影  ミロスラフ・オンドリツェク
音楽  ハンス・ジマー

キャスト

ジミー・ドゥーガン監督  トム・ハンクス
ドッティ捕手  ジーナ・デイヴィス
キット投手  ロリ・ペティ
メイ中堅手   マドンナ
ドリス三塁手  ロージー・オドネル
マーラ二塁手  ミーガン・カバナー
ベティ左翼手  トレイシー・ライナー
イヴリン右翼手  ビティ・スクラム
シャーリー左翼手  アン・キューザック
ヘレン遊撃手  アン・エリザベス・ラムゼイ
ローウェンシュタイン理事  デヴィッド・ストラザーン
ボブ・ヒンソン(ドティの夫)  ビル・プルマン
スカウト  ジョン・ロビッツ

***

最終戦を前に練習中に監督がアリスに声をかけると、マスクを脱いだその顔はドティだった。彼女は、いてもたってもいられなかったのだ。
ベルズは、キットが先発し好調である。八回裏ベルズはピーチズのイヴリンのミスでついに得点を挙げる。しかしピーチズも好打順だ。ランナーを貯めて、ドティに回ってくる。ドティはヒットを放ち、2点を奪い逆転する。
いよいよ9回裏、ここをピッチャーのエレンが押さえれば初代ワールド・チャンピオンだ。二死二塁のチャンスでピッチャーのキットに回ってくる。今日のキットは、悪癖が出て高めに手を出して空振りが多い。簡単に高めの釣り球を振らせて2ストライクを取る。ここでバッテリーは勝負を焦った。アウトハイだが、少し低かった。その球をライトに流し長打を放つ。一塁走者は一気に帰り同点になり、打者走者のキットも三塁ベースを蹴り、ホームへ向かう。中継のボールがドティに帰ってきてタイミングはアウトだった。しかしキットは全身の力を込めて体当たりをした。ドティは転倒し、ショックでボールをこぼしてしまう!
このようにしてキットの投打にわたる活躍でベルズが優勝し、これを本当の最後にしてドティは家庭へと戻っていった。

1988年、ニューヨーク州クーパーズタウンの野球殿堂で、1954年に幕を閉じた女子プロ野球リーグの殿堂入りセレモニーが行われ、元選手たちが集まってきた。ドティも懐かしいピーチズの仲間たちと再会した。監督はすでに亡くなり、イヴリンもすでにこの世におらず、代わりにあの息子がすっかりおじさんになって現れた。最後にキットと再会すると、二人は抱き合うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

プリティ・リーグ A League of Their Own 1992 パークウェイ製作 コロンビア・トライスター配給

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