華やかなファッション雑誌Vogue編集長のアシスタントを勤めた原作者による業界内幕小説は全米ベストセラーになった。そこで早速デヴィッド・フランケルを監督に据えて映画化された。

配役は強烈なカリスマを持つ編集長役にメリル・ストリープ、ジャーナリストが目標だがひょんな事からファッション誌に採用されたアシスタント役に目が大きくて当時人気絶頂だったアン・ハサウェイ、筆頭アシスタントに当時新人のエミリー・ブラントが起用されている。

 

あらすじ

アンディ(アン・ハサウェイ)はジャーナリスト志望だったが、ひょんな事からファッション雑誌編集部に採用された。最初に就いたのがミランダ編集長(メリル・ストリープ)の第2アシスタントである。ミランダはファッション界のカリスマ的存在であり、流行を変えてしまうほどの力を持っていた。先輩アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)によると、第2アシスタントのポジションは誰も一週間と続いたことがないそうだ。

アンディは入社早々ファッション・センスの悪さにダメ出しを食らう。一念発起したアンディは、男性スタッフのナイジェルの指導を受けて、見る見る別人のようにお洒落になっていく。仕事も覚えて、編集長の覚えも良くなり、先輩アシスタントの代わりにパリコレへ出張することになる。一方、私生活で忙しくなり、恋人と別れることになる。

パリでアンディは複雑な気持ちになるが、ナイジェルが有名デザイナーの共同経営者に就くと聞かされ、気持ちがハイになり、ファッション評論家と一夜を過ごす。翌朝、その男からミランダを編集長から下ろし新編集長にジャクリーヌを担ぐ話を聞くが、ミランダの方が一枚上でナイジェルが就くはずだった地位をジャクリーヌに提供することで、編集長の地位を守る。

アンディはナイジェルの落ち込む顔を見てミランダが許せなくなり、会社に辞表を叩きつける。そしてニューヨークに戻り、元カレと寄りを戻し、新聞社の採用面接を受ける。新聞社は彼女が前職を一年未満で退職していたので警戒していた。しかしミランダが推薦するFAXを送ってくれたため、アンディは無事合格する。

 

雑感

ファッション業界誌編集長が実質的に流行の方向を握っていても、さして驚かない。どんな業界も一枚皮をめくれば、魑魅魍魎の跋扈する社会だから。

メリル・ストリープは流石の貫禄だった。老けた素顔をアンディに見せたときには、この人も老けたんだなと思ってしまった。本当のすっぴんだったのだろう。

アン・ハサウェイはメリル・ストリープを相手にして主役を張れるほどの実力が出てきた。アカデミー助演女優賞を2012年ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」ファンティーヌ役で受賞してから第一子を出産したが、今後は主演女優賞を目指すのだろうか?

エミリー・ブラントはなかなか美味しい役だった。誰もがこの演技を見て彼女に注目したはずだ。名探偵ポワロシリーズの「ナイルに死す」で被害者役を演じたとき、モデル出身かなと思ったが、その後着実に女優としての実績を上げている。アン・ハサウェイと同じ年だが、イギリス人のため、「プラダを~」でハリウッドに進出した。いよいよ2018年クリスマス映画として「メリーポピンズ・リターンズ」でタイトルロールを演ずる。来年のアカデミー賞の目玉になるだろう。

女性社会を描く映画だからしかたが無いが、男性俳優は見ていてだらしない役が多かった。その中でひときわ冴えていたのが、男性スタッフ・ナイジェルを演じたスタンリー・トゥッチだった。

 

スタッフ

監督 デヴィッド・フランケル
脚本 アライン・ブロッシュ・マッケンナ
原作 ローレン・ワイズバーガー (全米ベストセラー)
製作 ウェンディ・フィネルマン
製作総指揮 カレン・ローゼンフェルト、ジョー・カラッシオロ・ジュニア

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配役

アンドレア(アンディ)  アン・ハサウェイ
ミランダ編集長  メリル・ストリープ 
エミリー(上司)   エミリー・ブラント 
ナイジェル(男性スタッフ)  スタンリー・トゥッチ
ネイト(恋人)    エイドリアン・グレニアー
クリスチャン(評論家)  サイモン・ベイカー
リリー(友人)    トレイシー・トムズ

 

 

プラダを着た悪魔 (The Devil Wears Prada)2006 20世紀フォックス配給 – 今となってはエミリー・ブラントの出世作

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