「エリン・ブロコビッチ」の原点のような企業訴訟コメディだが、時代を反映してか、訴訟を利用しての金儲けの話ではない。
主演はドリス・デイ、ジャック・レモン。共演はアーニー・コヴァックス、スティーヴ・フォレスト(ダナ・アンドリュースの弟)。

 

あらすじ

 

未亡人ジェーン(ドリス・デイ)はメイン州の田舎町の湖でロブスターを捕まえ、都市のレストランに卸すことを生業にしている。
この町は未だにタウンミーティングが開かれることで知られている。
ある日、ジェーンのロブスターが大量に返品される。鉄道会社の怠慢で腐れせてしまった。ジェーンと幼なじみジョージ(ジャック・レモン)は会社相手に訴訟を起こす。第一審はジェーンの勝ち。ワンマン社長は即時控訴した。生活に困ったジェーンは裁判所に掛け合って、町に停車していた会社の汽車を差し押さえる。
すると、社長は汽車が停まっている線路の使用代を請求する。事件に興味を持った新聞記者のラリーは、ジェーンにニューヨークのテレビの取材を受ければとアドバイスする。
ニューヨークで歓待を受けた上、ラリーにプロポーズされて有頂天になってしまうジェーンだが、翌日町に帰るとタウン・ミーティングで社長から鉄道を一切通さないと通告があったことを知らされる。それに対して、ジョージはタウンミーティングで一世一代の演説を打ち、町民の気持を1つにまとめて会社と戦うことを決める。
ジョージは差し押さえている汽車を走らせて、注文を受けたロブスターを各地に配達することを発案する。自ら機関士となり、ジェーンとその子供たちを連れて出発するが、社長も様々な妨害工作を仕掛ける。
しかし露骨な妨害のため、かえって世論はジェーンに向き、社長も最後はジェーンに降参して町に消防車をプレゼントするのだった。ジョージもジェーンにプロポーズして、彼女はそれを受け入れる。

 

雑感

 

ドリス・デイがボーイスカウトの子供たちと一緒に歌い、ジャック・レモンが伴奏するシーンがあるが、この映画はかなり夏休みの子供向けを狙っているようだった。
ドリス・デイとジャック・レモンは合うと思ったのだが、案外合っていない。レモンの速射砲の如き台詞回しが聞かれなかったのが大きいと感じた。それもターゲットの年齢層を下げたせいか。
鉄道会社のワンマン社長役を演ずるアーニー・コヴァックスは「ハバナの男」の警察署長と同一人物と思えなかった。かなりの芸達者なコメディアンだったようだ。
ラリー役はスティーヴ・フォレスト、絵に描いたようような二枚目で振られてしまう。

スタッフ・キャスト

 

監督 リチャード・クワイン (媚薬)
脚本 ノーマン・カトコフ
配役
ジェーン ドリス・デイ
ジョージ ジャック・レモン
社長 アーニー・コヴァックス
新聞記者ラリー  スティーヴ・フォレスト
ハッピーロブスター It Happened to Jane 1959 コロンビア配給 (日本未公開)

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