昔は「人類SOS!」というタイトルで放送されていた。
ジョン・ウィンダムの原作(創元SF文庫)はタイトルを「トリフィド時代」と翻訳していたが、The Day と単数だし三日天下なので「トリフィドの日」と訳して、DVD発売に伴いタイトルを変えたみたいだ。綺麗な発色ではないが、一応カラー映像である。
Plot:
流星群を見ていた人類は視力を失った。さらに宇宙植物トリフィドが移動しながら、人類を食べ始めた。植物の移動速度だからゾンビより遅いが、相手が盲人だから次々と平らげてしまう。
しかしたまたま流星群を見なかった人は視力を失わなかった。そして彼らは人類の叡智を尽くしてトリフィドと戦った。
主演はMGMのミュージカル・スターだったハワード・キール。こんなSF映画で姿を見ると、とても頼もしい。バリトンの美声で敵を大人しくさせてしまいそうだ。
製作総指揮と共同脚本はチャールトン・ヘストン主演「エル・シド」を手懸けたフィリップ・ヨーダン、撮影は“007シリーズ”のテッド・ムーア、特撮は「2001年宇宙の旅」でオスカーを受賞したウォリー・ヴィーバース
監督がハンガリーからナチスに追われてアメリカに移ったベテランのスティーブ・シークリー

Synopsis:

まずトリフィドと言われる食虫植物がいて、しかも宇宙線を浴びて巨大化して人間を食べ始めるという設定1。次に巨大流星群が飛来し、多くの人々が楽しみにしている。ところがそれを見た人は視力を失う設定2。
たまたまロンドンで目の手術をしていて、一等航海士ビルは流星群を見ていなかった。翌朝、起きるが人の気配がない。包帯を取ると、病院内は荒れ放題だ。眼科担当医は流星群を見た人はみな失明したと言い、ビルが少し目を離したすきに飛び降り自殺してしまう。
ビルが街に出ると、盲目の人々が彷徨っていた。そんな中、貨車に潜り込んで流星群を見なかったため、目が見える娘スージーを見つけて、行動をともにする。
一方、トムカレン夫妻は離れ小島の灯台に籠って研究をしていたが、不便な暮らしにトムは飽き飽きしていた。そこへトリフィド事件の報道が流れる。島にもトリフィドが自生していて、移動を始め夫妻を襲って来た。
フランスへ渡るもパリもロンドンと同じような状態だった。スペインのカディス米軍基地へ向かう途中、クリスティーヌたちと出会う。クリスティーヌは目の不自由な人を保護していたが、ある日脱獄した囚人たちに襲われ、屋敷は狂乱の夜を迎える。間の良いことにトリフィドの大群がそこへ押し寄せ、クリスティーヌは保護していた盲人を切り捨てて、ビル、スージーと三人だけが命辛々スペインへ逃げ果せる。
スペインでは目の不自由な夫妻と出会う。妻は出産を明日に控えている。米軍基地はあと二日で撤退を完了する予定だという。翌日妻が無事子供を産んだあと、またトリフィドの大群がやってくる。
何故ここにだけやってくるのか?どうやら発電機など生活する上で欠かせない周波数に反応しているらしい。
そこで最終日に他のみんなをクリスティーヌに任せて、ビルは宣伝カーで音を鳴らしながらみんなから遠ざかり、適当なところで乗り捨てて、一人で海に向かう。そこでは米軍潜水艦の乗組員がビルを待っていた。
一方、離れ小島のトム、カレン夫妻はバリケードを作り灯台に籠城していたが、バリケードがついに破られた。夫妻は上へ上へと逃げたが、屋上に着いてしまう。最後の手段としてトムはポンプで海水をトリフィドにかけると、あらあら不思議、トリフィドたちは死に絶えてしまう。
トリフィドの天敵は食塩水だった。地球上の2/3は海水で覆われているから、トリフィドを絶滅させるのも時間の問題だ。

Impression:

二つのグループが独立して動いて共にトリフィドを倒すことができる(人間って凄い!)という感動的なエンディングだ。
ここで疑問がある。
音のない世界はトリフィドが集まらず安全だが、人間にとってはかなり不便だ。電気のあるところは、必ず音が鳴っている。
また食塩水に耐性のあるトリフィドが生まれたらどうするのか。抗生物質のいたちごっこが始まるのか。
そもそも、どうして彼ら(ビル、トム)は送信機を使わないのか。
あまりに能天気な結末でツッコミどころ満載だ。
結局「俺たちの戦いは続く・・・」エンドなのだろう。

Staff/Cast:

監督 スティーブ・シークリー,フレディ・フランシス
製作総指揮 フィリップ・ヨーダン
製作 ジョージ・ピッチャー
脚本 バーナード・ゴードン、フィリップ・ヨーダン
音楽 ロン・グッドウィン、ジョニー・ダグラス
撮影 テッド・ムーア
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出演
ハワード・キール (ビル)
ニコル・モーレイ (クリスティーヌ)
ジャニーナ・フェイ (スージー)
ジャネット・スコット (夫トム)
キーロン・ムーア (妻カレン)
メルビン・ジョーンズ (コーカー氏)
トリフィドの日~ 人類SOS!~ (The Day of Triffids) 1962 イギリス製作 流星群を見てはいけない!

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