夏が来れば思い出す、タヒチの少年少女との心温まる交流を描いたフランス児童文学の映画化。
水中撮影とフランチェスコ・デマージの音楽が秀逸だ。当時は伊藤アイコのイメージソングも発売された。学校でこの映画を見た人たちも多いはず。
1979年にはアメリカ映画「少年と鮫」と改題して、原作に寄せてリメイクされた。

 

 

あらすじ

 

観光地として知られ始めた南海のタヒチ島。しかし伝統漁法を則っていた漁師にとって、鮫はいつまでも恐怖の的だった。
漁に連れて行ってもらえない原住民の少年チコは、アメリカから来た少女ディナと仲良くなる。チコは、小さな迷い鮫を見つけた。マニドゥと名付けられた鮫に餌付けすることでチコとの間に友情が芽生える。マニドゥはチコとディナに海の神秘を教えるが、その日以来姿を見せなくなり、ディナも帰国する。

十年以上が経ち、チコは漁師として大きく成長するが、タヒチはますます観光地化していく。ディナの兄ジェフは現代漁法を採り入れて、漁師たちを組織化する。チコはこれからどう生きるべきか迷う。そんな時チコは美しく成長したディナ、そして巨大になったマニドゥと再会する。
チコの兄弟は結局ジェフの会社に参加するが、伝統漁法に拘るチコだけは入社を断る。チコを取り込むためにジェフはマニドゥを捕まえて殺せと命ずるが、網に掛かったマニドゥをチコが命がけで救う。そんなチコをディナは一所懸命に看病してくれる。
チコはタヒチを離れ、マニドゥと他の島に渡り、伝統漁法を使って暮らしていくと決心する。ディナも文明社会を捨てて、チコに付いていく。

 

雑感

 

2019年8月現在、IMDB7.5点。
童話だから、理想しか描いていない。こんな映画を作ったら、ますますタヒチ島が俗化されるという矛盾を含んでいる。

それでも海中ダイビング・シーンは涼しげで、夏になると童心に帰ってあの頃に帰りたくなる映画だ。
成長したディナ(ディアナ)役のマルレーヌ・アマング(タヒチと中国のハーフ)がお気に入り。

 

 

スタッフ・キャスト

 

監督 フォルコ・クイリチ
原作 クレメント・リシェール
脚色 イタロ・カルビーノ
撮影 ピエル・ルドヴィコ・パヴォーニ
音楽 フランチェスコ・デ・マージ

配役
ティコ アル・カウエ (素人のポリネシア人)
ディアナ  マルレーヌ・アマング
ティコ(幼少期) デニス・プヒラ
ディナ(幼少期) ディアーナ・サムソイ

チコと鮫 Ti Koyo E Il Suo Pescecane 1962 イタリア+アメリカ合作 日本ヘラルド配給

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