昔、宣伝を見た時から、凄まじい無茶苦茶な映画だと思った。石原プロが日テレのドラマ「大都会」を捨てて、テレビ朝日と作ったドラマ「西部警察」の原型だと思う。日テレではこの手のドラマは予算不足だった。
筋書きは単純だけど、迫力が違う。これなら予算さえ付けば、俳優でも監督することが出来るタイプの映画だ。
囚人を迎えに行く話だが、以前のクリント・イーストウッドが主演したドン・シーゲル監督の「マンハッタン無宿」を思い出す。あれでは囚人引き取りが目的だった。
まさか、クリント・イーストウッドが師匠のセルジオ・レオーネやドン・シーゲルを越えて、アカデミー監督賞を2度も取るとは思わなかった。
監督・主演はクリント・イーストウッド、共演は当時愛人だったソンドラ・ロック

あらすじ

 

アリゾナ州フェニックス市警本部のショックリー刑事は、隣のネバダ州ラスベガスに収監されているガス・マレーをフェニックスで行う裁判のために、護送してほしいと新しい市警本部長ブレークロックに命令される。早速ラスベガス警察に行くと、ガス・マレーは若い娼婦だった。ガス・マレーを空港まで連れて行く最中に突然警察から銃撃に遭う。難を逃れて、巡回パトカーをジャックして州境へ向かう。しかしガスがマフィアと繋がる警察から狙われていると言うので、州境直前でパトカーから下りて見ていると、アリゾナ側から来た覆面パトカー4台によって巡回パトカーは蜂の巣となる。

ガスはマフィアと繋がっている警察官は市警本部長だと告白する。ショックリーは初めから捨て石だったのだ。これでショックリーの腹は決まった。友人のジョセフソン刑事を呼び出し、市の総合庁舎へバスで突っ込む辛、通る道順を上司に明らかにしてやれと伝える。ショックリーとガスはバスジャックして、さらに鋼板を使い装甲車に仕立てて、総合庁舎へ向かう。途中でジョセフソン刑事が待っていたが、狙撃されてジョセフソンだけが亡くなる。バスは警官隊の凄まじい射撃を受けるが、ついに総合庁舎にたどり着き、彼らは降り立つ。かつての仲間が血みどろになって降りてくると、警官隊は撃ち方を止める。市警本部長とグルだった地方検事補がが全てを告白すると、市警本部長が地方検事補とショックレーを撃ち、ガスが市警本部長を射殺する。

 

雑感

 

ガントレット」という題だが英語版予告ではゴントレットと聞こえる。辞書を引いても「ゴーントレット」で仲間同士でむち打ちなど私刑にすることとある。この映画にピタリだ。

クリント・イーストウッド監督の単純だがド迫力演出が、まさか石原プロ(石原裕次郎)に新たな企画を生み出すとは思わなかったろう。

ソンドラ・ロックは「アウトロー」以来、クリント・イーストウッドにこき使われたあげく、「ダーティーハリー4」を最後に捨てられた。ソンドラ・ロック自体は、演技の才能があったが、使い道を誤ったようだ。アクション映画向きではない

 

スタッフ・キャスト

監督 クリント・イーストウッド
脚本 マイケル・バトラー、デニス・シュリアック
製作 ロバート・デイリー

配役
ベン・ショックリー刑事 – クリント・イーストウッド
ガス・マレー – ソンドラ・ロック
ブレークロック市警本部長 – ウィリアム・プリンス
ジョセフソン刑事 – パット・ヒングル
フェイダースピール検事 – マイケル・カヴァナー
警官 – ビル・マッキーニー

ガントレット Gauntlet 1977 ワーナー・ブラザーズ 監督・主演クリント・イーストウッド

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