エイリアンと、女性宇宙航海士リプリーとの戦いを描くSF映画のシリーズ第3作。監督は、MTV出身でこれがデビュー作となったデイヴィッド・フィンチャー
製作は脚本を兼ねるウォルター・ヒルデイヴィッド・ガイラー、そして共同脚本はラリー・ファーガソン
主演はシガニー・ウィーヴァー
共演はチャールズ・ダットン、チャールズ・ダンス

あらすじ

(第二作の続き)
女王エイリアンとの戦いに勝って脱出したリプリーたちは、救命艇のカプセルで冬眠していた。ところが突然の事故を起こして衛星フィオリーナ161に不時着した。
この衛星は、Y遺伝子しか持たない犯罪者が強制労働させられていた。それを管理するのは、監督ハリーと副監督アーロン、医師クレメンスの3名だった。
リプリーは無事に意識を取り戻すが、同乗していたニュートとヒックスは亡くなっていた。医師のクレメンスにニュートを検死させると、死因は溺死だった。二人の火葬が行われている最中、囚人の飼い犬の体を食い破って、秘かに四つん這いの姿をした子供のエイリアンが生まれていた。

救命艇のフライト・レコーダーを解析するため、遺棄されたヒューマノイドのビショップをゴミ捨て場から掘り出したリプリーは囚人たちに襲われる。しかし女性禁制の宗教(キリスト教原理主義の一種)を信仰するディロンが助けてくれる。それ以来リプレーは、ディロンを信頼する。
排気口でエイリアンは排気口で囚人一人を殺すが、遺体がスクリューに巻き込まれたため、粉砕されて犯行の跡は消えてしまう。
さらにエイリアンは、次々と囚人たちを襲う。
リプレーはビショップがフライト・レコーダーから解析した情報で、救命艇にエイリアンが乗り込んでいたことを確信したが、ハリー監督に教えても荒唐無稽だと言って取り合ってくれない。
医務室で医師クレメンスが天井から突然降りてきたエイリアンに殺され、それを伝えに行った食堂でハリーまで殺される。
序列が最も高いリプリー中尉が作戦を立案し、ディロンを実行に移し、囚人たちはエイリアンに対して最後の反抗の準備を行う。
ずっとリプリーは体調の悪化を自覚していた。救命艇に搭載されていたCTスキャンを使って、体内写真を撮るとエイリアンの子供がいた・・・。

雑感

エンディングは、「ターミネーター2」のパクリと言われても仕方がない。またCGの合成が酷かった。1990年代なのに「砂の惑星デューン」を見ているようだった。

デビッド・フィンチャーの初監督作だが、デビッド・フィンチャーは今ほどカリスマ性がなかったために、製作も関わっていた20世紀フォックスに完成フィルムをズタズタに切り裂かれて、再編集された。
そんなことを知らない批評家はフィンチャーを批判した。それに対して、証人としてシガニー・ウィーヴァーが立ち上がり、駄作になったのは20世紀フォックスのプロデューサーの仕業だと告発した。そのおかげで、デビッド・フィンチャーは監督業を続けることができた。

20世紀フォックス編集後の映画は、「エイリアン2」の改悪版コピーみたいな映画だ。BDにはディレクターズ・カットが用意されている。

スタッフ

監督 デヴィッド・フィンチャー
製作 ゴードン・キャロル
製作、脚本 デイヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
製作総指揮 エズラ・スワードロウ
脚本 ラリー・ファーガソン
原案 ヴィンセント・ウォード
キャラデザ  ダン・オバノン、ロナルド・シュセット
撮影 アレックス・トムソン
音楽 エリオット・ゴールデンサル

キャスト

リプレー  シガニー・ウィーヴァー
ディロン(囚人のリーダー)  チャールズ・ダットン
クレメンス医師  チャールズ・ダンス
ゴリック  ポール・マクガン
アンドリューズ  ブライアン・グローヴァー
アーロン副監督  ラルフ・ブラウン
モース  ダニー・ウェッブ
レインズ・クリストファー  ジョン・フィールズ
ジュニア  ホルト・マッカラニー
ビショップII(ヒューマノイド)  ランス・ヘンリクセン
ディビッド  ピート・ポスルスウェイト
ハリー監督  ブライアン・グローバー

ネタばれ

リプリーは自分を食い破ってエイリアンが飛び出す前に、ディロンに殺してくれと言う。しかしディロンにとってリプレーはまだ戦力だ。何とか宥めて、リプレーもエイリアンを閉じ込める作戦に参加させる。
囚人から多くの犠牲者を出しながらエイリアンを行き止まりに誘動し、高熱で熱した鉛を浴びせることに成功した。しかし成長したエイリアンは高熱の鉛から這い上がる。そこでリプリーが冷水のシャワーを浴びせると、急冷却されたエイリアンは砕け散った。
そこへタイミングを計ったように救援隊が駆けつけた。隊の中からビショップにそっくりなヒューマノイドが現れ、リプリーの体内から幼虫を取り出し、リプリーの命を救うと約束する。しかしエイリアンの軍事利用したいだけだと直観したリプレーは逃げ出し、溶鉱炉に身を投じて、皮膚を食い破って出ようとする幼エイリアンと運命を共にする。

 

 

 

エイリアン3 (Alien 3) 1992 ブランディ・ワイン製作 20世紀フォックス配給

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