ヘンリー・ジェームズの小説で映画化された「ねじの回転」の前日譚を描いている。
無邪気なマイルスフローラの姉弟(「回転」ではマイルスが年上だった) が下品な庭師のクイントと交わることにより、良くないことをどんどん覚えていく。夜はジュセル先生をクイントが暴力的に支配して蹂躙する様子をマイルスは覗いていて、昼間フローラを相手に同じことをして家政婦のグロース夫人に咎められ、クイントとジュセルの爛れた関係もグロース夫人に知れてしまう。グロース夫人は姉弟の叔父であり親権者であるブライ卿に相談し、ジュセルとクイントを解雇することを決める。
ジュセルは、最後の夜フローラからクイントが待っていると言われ、舟で湖の東屋へ急ぐ。しかし舟の底にマイルスが前もって穴を開けていてジュセルは東屋に着く前に沈んで溺れてしまう。翌朝クイントがジュゼルの溺死体を発見する。絶望のあまりクイントは呑んだくれて寝るが、人知れずマイルスが近寄り弓矢でクイントの脳天を貫く。

フローラとマイルスは、離れ離れにならなければいけない運命のジュセルとクイントが不憫に思われて、二人を一生一緒に居させるために同じ場所で殺した。
ではなぜクイントら二人は一緒に暮らせなかったのか。クイントはベルファスト近辺の出身らしい。ジュセルも教会の雑用人の子供だったが、それでもわざわざクイントと結婚してやるような身分ではなかったろう。ジュセルはクイントの住まいを豚小屋と評している。二人には超えられない身分の壁があったのだが、それをマイルスとフローラは無邪気にもいとも簡単に超えてしまった。

マーロン・ブランドは野卑な下人役はまさにはまり役。翌年は「ラスト・タンゴ・イン・パリ」その次は「ゴッドファーザー」だからキャリアのピークにいたんじゃないかな。ステファニー・ビーチャムは独身のガバネス(家庭教師) だったからこんな感じかな。子供達は大人びて見えて「回転」の方が幼かった。グロース夫人はこちらの方がはっきり物を言うタイプで、「回転」だと大人しめである。
だからこの映画は「回転」の前日譚を目指したわけではない。しかし映画「回転」が妄想に侵された家庭教師が子供を殺める話として広く受け入れられていたが。前日譚映画としてマイルス犯人説を唱えることで、原作「ねじの回転」のように映画「回転」も複雑な背景を持つことができるのだ。

製作監督 マイケル・ウィナー
製作総指揮 ジョゼフ・E・レヴィン
原作 ヘンリー・ジェームズ
脚本 マイケル・ヘイスティングス
撮影 ロバート・ペインター

配役
クイント マーロン・ブランド
ジュセル ステファニー・ビーチャム
グロース夫人  ソーラ・ハード
ブライ卿 ハリー・アンドリュース
フローラ  ベロナ・ハーベイ
マイルス  クリストファー・エリス

リンク
回転 1961 英国/20世紀フォックス

妖精たちの森 1971 英国

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