監督 小津安二郎
脚本 伏見晃
撮影 茂原英雄
出演 斎藤達雄
菅原秀雄
突貫小僧(青木富夫)
吉川満子

 

郊外に越してきたサラリーマン一家。2人の腕白兄弟は早速近所の悪ガキと喧嘩する。引越し前にいちばん強かった兄ちゃんも、ここでは苦戦だ。しかし弟が酒屋のアンチャンをうまく利用して、敵を取った。
そんな元気な兄弟は、自分たちの父さんを世界で一番偉い人だと信じていた。
引っ越してきた近所に父さんの会社の重役が、住んでいる。重役の家で8mm上映会が開催されて、二人も招かれる。8mmに写る父さんは、上司の前で滑稽なゴマすり男でしかなかった。
家に帰ってから、父さんに毒づく二人。
とうとう父さんも怒って子供たちをぶつ。
でも父さんが一人酒を飲む後ろ姿は悲しそうだった。
翌朝、子供はずいぶんと大人になっていた。たった一晩で彼らは、他人の立場を思いやる心を身につけた。
しかし父さんとしては、子供たちがわかってくれて、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだった。


この時代には長尺1時間半無声映画
それでも非常に軽妙なタッチですごく躍動感がある。
しかし内容はずっしりと重い。
父親のいたたまれない気持ちが痛いほど伝わる。子供が主人公だが、子供の見る映画じゃない。

小津安二郎は子供の演出に関して天才的だ。1932年時点でチャップリンより進んでいた。
次男坊の突貫小僧をはじめ、長男といい、そのライバルのガキ大将、金持ちの太郎くんなどみんな強烈な個性を発揮する。
ハリウッド映画みたいな、わざとらしさは全くない。世界的に評価されているのも納得だ。

大人の見る繪本 生まれてはみたけれど (小津安二郎) 1932 松竹蒲田

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