原作は19世紀末にアメリカ人で英米心理主義の先駆者として知られるヘンリー・ジェームズが書いた「ねじの回転」という心理小説。答えはいくつもありうるから見方によってはホラーに見える。
家庭教師ミス・ギデンズはブライ卿に頼まれ田舎で預かっている娘フローラの世話を見ることになった。家政婦は中年のグロース夫人という人だ。そこへ長男のマイルスが寄宿舎学校を退学になって帰って来る。マイルスは学校で何があったか言おうとしない。そのころ、ギデンズは屋敷の屋上に男性の人影を見る。グロース夫人に聞くとかつての従者で不審死したクイントという男がそんな姿だそうだ。さらに髪の長い女性の姿を見る。グロース夫人によるとギデンズの前任者ミス・ジェスルがクイントを愛していてその死後、後追い自殺をしたという。それからギデンズ夫人は兄妹のやることなすことに死んだ二人の影を感じるようになる。
良い脚色、演出だと思う。でもどの辺りにトルーマン・カポーティがかかわったのかわからない。白黒映画だが、その方が雰囲気も出ている。
結局、最後まで映画の答えは分からず、デボラ・カーの将来はどうなるのか?案外、屋敷の主人が子供に興味のない人だったから病死で済ますか。でもデボラ・カーは失職するし一生この仕事にトラウマを持つだろう。
監督製作 ジャック・クレイトン
原作 ヘンリー・ジェームズ
脚本 ウィリアム・アーチボルド 、 トルーマン・カポーティ
撮影 フレディ・フランシス
音楽 ジョルジュ・オーリック
配役
ギドンス デボラ・カー
ブライ卿 マイケル・レッドグレーヴ
グロース夫人 メグス・ジェンキンズ
マイルス マーティン・スティーブンス
フローラ パメラ・フランクリン
パメラ・フランクリンはヘルハウスで最初に殺される霊媒師役を演じた日本生まれのイギリス人女優、マイケル・レッドグレイヴはバネッサ・レッドグレイヴの父である。
リンク
妖精たちの森 1971 英国