世界一の巨匠ウィリアム・ワイラーの「友情ある説得」。
インディアナ州のクェーカー教徒一家の心温まる、ホームドラマだ。
クェーカーは、欧州から迫害を受けて逃げてきたキリスト教の一派だが、アーミッシュほど自足自給を徹底追求するのではなく、ビジネスも認めている。
しかし戦争反対である点は、共通する。
ちなみにフィラデルフィアは、クェーカーが開いた街である。
1862年、インディアナの田舎町にバードウェル一家は平和な毎日を送っていた。
母(ドロシー・マクガイヤ)はクェーカー教会の牧師であり、父(ゲイリー・クーパー)は元々クェーカー教徒ではなかったが、彼女と結婚するためにクェーカー教に転向した。
長女は隣の農場主の息子を愛していて、長男(アンソニー・パーキンス)は南北戦争に興味を持っている。
南北戦争の波はいやがおうにもバードウエル家にも押し寄せる。
宗教のため、夫妻はたとえ南軍が襲ってきても抗戦に反対していたが、長男は義勇軍に参加する。
息子の馬が主を乗せず帰ってきたとき、父親は妻の制止も聞かず、ついに武器を手にする。

メル・ギブソンの近作「パトリオット」という作品も、似たような素材だが、中身は全然違う。
ウィリアム・ワイラーだけに、ハッピーエンドだ。
ホームドラマらしいほのぼのとしたエピソードが語られる。
それが最後にちょっとだけ手に汗を握らされてしまうという展開。
古典映画の典型であるが、家族のつながり、信仰の大切さを思い知らされる。
逆に親が信仰心を持たない家に育った、日本の子供は非常に可哀想だ。
同じ村の中にクェーカーと普通のプロテスタントが摩擦しながらも共存している。
しかし、たまには争いも起きただろう。
そのとき、クェーカーは果たして抵抗しなかったんだろうか?
ドロシー・マクガイヤは「紳士協定」などに出演した大女優だが、今になって見直してみると、ミシェル・ファイファーにそっくりだ。
気の強い蓮っ葉な女と、強い母親を同時に演じられる当たりが、まったく同じ。
アンソニーパーキンスはかなり重要な役を演じているが、まだ「サイコ」以前で、青春スターしていた頃だった。
宗教上の問題か、オスカーはひとつも取れなかったが、僕としては星は三つ。
クラシックムービーファンでない人も信仰の意味を考える上では良い映画だと思う。

友情ある説得(Friendly Persuasion, 1956, USA)

Related posts:


投稿ナビゲーション


友情ある説得(Friendly Persuasion, 1956, USA)” への2件のフィードバック

  1. この項目(55〜59)を再読。ハリウッドが一番輝いていた時代かも。
    今の映画、通院や退院の時に観ていますが「つまんないねぇー」。どうしちゃったの!?。
    そしてネットのブログでは概して全てを評価。メディアに乗せられやすいし感性の枯渇?。幼児化も進んでいるな。

  2. この項目(55〜59)を再読。ハリウッドが一番輝いていた時代かも。
    今の映画、通院や退院の時に観ていますが「つまんないねぇー」。どうしちゃったの!?。
    そしてネットのブログでは概して全てを評価。メディアに乗せられやすいし感性の枯渇?。幼児化も進んでいるな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA