ササールコートを一躍有名にしたイタリア風ホームドラマ。と言っても日本だけの話で三陽商会がこの映画で一瞬映っただけのササールのトレンチコートを売り出したらバカ売れしてしまった。当時それだけジャクリーヌ・ササールはアイドル女優でファッションリーダーだったからだ。
いまどき、ああいうデザインのトレンチなぞ見ないから、若い女性はさぞ違和感を感ずるだろう。ちなみに昨年三陽商会は50年ぶりにササールコートを復刻販売している。

 

 

三寒四温のようなものなのか、イタリアの「三月の気候は不安定」であることから、「三月生れ」と言えば気まぐれな性格と信じられている。
ミラノ生まれの主人公フランチェスカは祖母と母に大切にされて育つが、三月生れのせいか非常に気まぐれな性格だ。

 

そんな彼女が17歳で結婚した一回り上でローマ生まれの夫と上手くいかず、昔のBFに愚痴を聞いてもらうところから始まり、結婚当初を回想するシーンに入る。
付き合ってすぐ結婚したからお熱いシーンが続くが、少しずつ夫が妻のわがままに耐えるようになる。新居の内装も妻に任せていると、若い妻には一切経済観念が無く高価な家具を買ったり芝生を敷いたりしてしまう。建築家としての夫の稼ぎが少ないならば、協力しようと得意先を集めて来るが、芸術家肌の夫のやりたいことを理解していない。妻は大学へ復学するが、自宅を学友に遊び場代わりに使われて、夫は大学を辞めさせる。さらに夫の気を引きたい妻は、妊娠したと嘘をつく。するとあれほど嫌がっていた総菜屋の内装の仕事を引き受け、妻の移動用に自動車をローンで買ってしまう。これには妻も嘘を認めた上で謝罪する。しかし車の運転について妻の方が夫より上手だったことで、夫の感情が爆発して、別居に至る。
そして回想シーンは終わる。妻は夫の気持ちを考えずにしたことが夫を怒らせたこと、それでも夫を愛していることに気付き、BFを拒絶して一人で街に出る。
気がつくと、夫の事務所の前に立っていた。夫の車に似た車に悪戯をして叱られているところへ夫がやって来る。それでも久し振りに夫と語り合って、まだやっていけるかもと感じた。そこで彼女にまたいたずら心が生じ、BFと浮気したと言ってみた。途端に夫はしょげてしまい、一人でとぼとぼ帰っていく。夫は自分のことを本心から許していないのだと思って、妻も逆方向の市電に乗り込む。
そのとき、市電の後ろから「フランチェスカ!」と叫ぶ声が聞こえた。

 

 

 

新婚早々の喧嘩っぷりはリアルである。交際期間が長くお互いに気心が知れているのなら別だが、交際期間がごく短くていきなりゴールインする場合は、こう言うトラブルはつきものだ。
最初は妻が子供だから夫が怒るのも無理はないが、そのうちに夫は妻を保護あるいは所有している錯覚に陥る。でも妻も若いからこそ成長を重ねている。そこに認識の差異が発生して、ぶつかり合い、別居する。セックスでは決してこの問題を解決できない。ただ二人の思い出と時間だけが解決する。

 

 

ササールはれっきとしたフランス人だが、イタリア人の好きなタイプでポッチャリしていて子供もたくさん産みそうな体型。当時の日本人にも受けただろう。
でも今の日本人のスレンダー好みからすると、やや太めになるかな。

 

 

監督 アントニオ・ピエトランジェリ
製作 カルロ・ポンティ
原案 アントニオ・ピエトランジェリ
脚本 アージェ・スカルペッリ 、 ルッジェーロ・マッカリ 、 アントニオ・ピエトランジェリ
撮影 カルロ・カルリーニ
音楽 ピエロ・モルガン

 

出演
ジャクリーヌ・ササール フランチェスカ
ガブリエレ・フェルゼッティ サンドロ

マリオ・ヴァルデマリン カルロ
ティーナ・デ・モーラ ネッラ
エステル・カルローニ 祖母
フランカ・マッツォーニ 母

 

 

三月生れ (Nata di Marzo) 1958 イタリア製作 ジャクリーヌ・ササールの主演2作目

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