市川崑監督、竹山道雄原作、和田夏十脚本、横山実撮影で映画化した反戦童話「ビルマの竪琴」。
ビルマで捕虜となった小隊に所属する水島上等兵が、ビルマに散った英霊を慰めるために出家して、自分だけは現地に残る決断をする。当時は海外旅行に厳しい制限があったので、ビルマに永住すれば、二度と日本に帰らないことを意味していた。

この映画で市川監督はヴェネチア国際映画祭部門賞受賞やアカデミー外国映画賞ノミネートなど初めて国際的に評価された。
ただし本来、監督は一本の映画で取る予定だったが、ビルマロケの許可が降りず日本で取れる部分で第1部として一本作り、ビルマロケが終了してから、改めて総集編という形で上映したかったが、会社と揉めて結局第2部と総集編を二本作ることになった。
現在は第1部と第2部の完全版は封印されているようだ。
のちに1985年になって市川崑監督が自らリメイクしている。上映時間も増えて総集編の足りなかった点を補っている。
総集編でもリメイク版でも現地の物売りばあさん役は北林谷栄が演じていた。

アカデミー外国語映画賞にノミネートされた。

 

Synopsis:

1945年夏ビルマ(現ミャンマー)戦線の日本軍は印英軍の攻撃に圧倒されタイへ逃れようとしていた。

井上将校は音楽学校を卒業していて、率いる小隊員に合唱を教え込み、隊の団結力を高めていた。とくに水島上等兵は指導のおかげもあってビルマの竪琴の演奏がすこぶる上達した。

小隊はある村落で罠に掛けられ、印英軍に包囲される。敵を油断させるために『埴生の宿』を合唱していたが、敵も英語で『埴生の宿』を歌い始めてしまった。そして井上小隊は敗戦の事実を知らされた。小隊は降伏して、捕虜収容所に送られる。しかし、「三角山」で日本軍が戦闘を続けており、彼らを降伏させるため、説得の使者として水島が赴くことになった。しかし、彼はそのまま消息を絶つ。

その後、水島によく似た、インコを肩に乗せた僧侶が小隊の周囲に現れるようになる。

小隊長は僧侶が水島かどうか確かめるために、現地の老婆から一羽のインコを譲り受ける。そのインコは、僧侶が肩に乗せたインコの弟だった。小隊長はインコに「ミズシマ、イッショニ、ニッポンヘカエロウ」と日本語を覚えこませる。

小隊は3日後に日本へ帰国することが決まった。隊員たちは水島へのメッセージを覚えこませたインコを僧侶に渡すよう老婆に頼む。

出発前日になってあの僧侶が収容所の皆の前に姿を現し、別れの曲である『仰げば尊し』を弾く。そして森の中へ消えた。

翌日、老婆から1羽のインコと封書が手渡される。おおよそのことを悟っていた小隊長は旅支度を急がせ、日本への船に乗り込んでから隊員に手紙を読んで聞かせる。そこには三角山の悲劇の後、故郷の土を踏まずビルマで死んだ英霊を慰めるため、水島が僧侶となって一章この地に留まる決意を書いていた。

 

 

Impression:

1985年版と比較すると、総集編はかなり編集が粗い。細かなエピソードが省略されている。

最後の隊長の演説の辺りは少々眠かった。三國連太郎の小隊長は少し物わかりが良すぎて淡泊だ。

それでも「仰げば尊し」を演奏するところは感極まって泣いてしまった。

1985年版はカラー映画だが、少し冗長だったかも知れない。もう少し刈れるエピソードは捨てるべきだった。

 

北林谷栄はいくつになっても変わらないなあw。

 

Staff/Cast:

監督 市川崑
脚本 和田夏十
原作 竹山道雄(中央公論社版)
製作 高木雅行
音楽 伊福部昭
撮影 横山実
編集 辻井正則

 

 

出演
安井昌二 水島上等兵
三國連太郎 井上小隊長
浜村純 伊東軍曹
内藤武敏 小林一等兵
西村晃 馬場一等兵
三橋達也 三角山守備隊隊長
深江章喜 兵隊1
成瀬昌彦 兵隊2
中村栄二 ビルマの老僧侶
北林谷栄 物売りの老婆
伊藤雄之助 村落の村長

ビルマの竪琴 (総集編) 1956 日活 ヴェネチア国際映画祭サン・ジョルジョ賞第一回受賞作品

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