貧しく廃団寸前だった群馬交響楽団の戦後史を巨匠今井正が描いた音楽映画。
独立プロに、大俳優たちが参加して作った手作り作品だ。
ピアニストの岸恵子がクレジットでは1番だったが、
コンサートマスターの岡田英次が実質的主演だ。
岸恵子はめずらしく好感度の高い役だった。
ただし、いつも回転上げたような声を出して、少々違和感がある。
岸恵子のピアノ演奏は吹き替えだが、やたらと手がオーバーアクションだ。
もう少し押さえた演技の方がよい。
(もっともチャイコフスキーのピアノ協奏曲を弾いたピアニストもとちってた。)
他にもトランペット三井弘次とコントラバス兼パーカッション加東大介の酔っぱらいぶりなど、見所はあった。
つい先頃までテレビで活躍していた人たちが続々ちょい役で出てきて、長さ(2時間半)を感じさせない映画だ。
日本版「オーケストラの少女」だ。
ハンセン氏病患者が彼らのコンサートに感動して手をたたくシーンがあり、胸を打たれる。
音がしないのだ。
これじゃあ、地上波でこの映画を流せないはずである。
この映画を見たのは、かれこれ三十年ぶりだろうか。
大作曲家の山田耕筰先生がご本人の役で出演している。
最後のベートーベン第九の演奏はうまかった。
群響だと思っていたが、東京交響楽団だったようだ。
先生は脳梗塞を患ってるらしく左手足が麻痺していた。
指揮は右手でちょろちょろするだけで、よくわからなかった。
しかし音楽家は右脳をやられるのか。やはり音感は右脳に支配されている。