井上梅次が脚本・監督にあたった二部構成ミュージカル・コメディ。撮影は岩佐一泉

第一部「お転婆三人姉妹」の主演は轟夕起子、ジャズ歌手のペギー葉山、芦川いづみ、まだ16歳の浅丘ルリ子
共演はフランキー堺、石原裕次郎、岡田眞澄、高英男、安部徹
第二部「踊る太陽」は三景からなり、第一景の主演はフランキー堺、南田洋子。第二景の主演は月丘夢路、新珠三千代、北原三枝。第三景の主演はペギー葉山、芦川いづみ、浅丘ルリ子。

公開当時は、小西六のコニカラーで上映された。フィルムに耐久性がなかったのか、現在はモノクロフィルムしか残っていない。

ストーリー

三人姉妹は、ミュージカル作家だった父親瀧伸太郎の死んだ後、洋装店を切り盛りして女手一つで育てている母親冬子と暮らしている。三人姉妹の心配事は、その母親のことで働きすぎて再婚している暇がない。
三女秋子は、高校へ赴任して来た轟先生の興味を持つ。早速、三姉妹は面接して確かめようとする。秋子は仮病を使って先生を家に招き入れ、三人で根掘り葉掘り先生にインタビューする。結果は合格だった。
次の休みの日に早速、先日のお礼ということで先生を招待し、母親と会わせる。どうやら脈がありそうだ・・・。

雑感

井上梅次監督お得意のミュージカル映画。しかも日活オールスター映画でもある。残念なのは、カラーフィルムがダメになっていてモノクロしか残っていないことだ。こういう映画こそ、カラーライズしてほしい。
セリフ部分は大して下らないが、ミュージカル部分が多く誰でも楽しめる構成になっている。

最も多く歌っていたのは、ジャズ歌手のペギー葉山である。紅白歌合戦に「ボタンと二丁拳銃」で出場したこともある轟夕起子も一曲歌ってくれた。轟夕起子は、安室奈美恵などを芸能界に送り出した沖縄アクターズスクール主宰のマキノ正幸の母である。
主要キャストの女優陣の多くが宝塚歌劇団出身なので、女優陣は歌っていた。南田洋子は、初め誰かわからないほど濃く化粧をしていたが、歌い出すと本人だとわかって感激した。新珠三千代月丘夢路は、ダンスが主だったが、コーラスで北原三枝と歌っていた。
我らが芦川いづみは、SKD(松竹歌劇団)出身なのでダンスはまだマシなのだが、歌は苦手だった。それでも自分の声で歌っていた。可愛かったから良いが、彼女はストレート・プレイの方が似合っている。
当時16歳の子役浅丘ルリ子だけ、低い声の歌手によるアテレコになっていた。周りの声量の大きさにビビって、声が出なかったのか。

男優では、フランキー堺市村俊幸、柳澤真一がしっかり歌っていた。フランキーは、第一部ではジョージ川口のドラムに対抗して、コンガで勝負をしていた。そのほかに歌手役で歌手の高英男、武井義明が登場した。
他の日活専属俳優は、ボロボロ。石原裕次郎はレッスンせずに歌っていたと思う。岡田真澄も歌ったが当時は音程が酷かった。当時は日活所属だった津川雅彦の歌はもっと下手だな・・・。

スタッフ

製作  茂木了次、水の江瀧子
脚本・監督・作詞・ショー構成  井上梅次
撮影  岩佐一泉
音楽  多忠修
作詞・ショー構成  和田肇

 

キャスト

【お転婆三人姉妹】
洋装店主の滝冬子  轟夕起子
長女春子(大学生)  ペギー葉山
次女夏子(バレリーナ)  芦川いづみ
三女秋子(高校生、眼鏡っ子)  浅丘ルリ子
秋子の轟先生  安部徹
春子の同級生公仁夫君  フランキー堺
バレエ・ダンサー鉄夫君  岡田眞澄
ご用聞きの大助君  石原裕次郎
演出家吉田さん  高英男
川田君  ジョージ川口
田中君  長門裕之
松本君  青山恭二
秋子の校長先生  丹下キヨ子
婆や  山本かほる
お医者さん  キド・シン(木戸新太郎)
バレエの神山先生  柳澤愼一
ケーキ屋吉川さん  柳谷寛
生地屋の兼子さん  大坂志郎
ノリッペ  桂典子
針子  南寿美子
滝伸太郎(父親)  三橋達也
ショーでの春子の恋人役  葉山良二

【踊る太陽】
第一景 神様と田舎者
パリにやって来た田舎者   フランキー堺
パリのマドモアゼル  南田洋子
神様(キューピッド)  市村俊幸

第二景 三つの恋の物語
占い師  柳澤愼一
赤を選んだ女  月丘夢路
ジャズ歌手  武井義明
白を選んだ女  新珠三千代
シャンソン歌手  高英男
黄(青春の色)を選んだ女  北原三枝
男  石原裕次郎
男  岡田真澄

第三景  裏町のお転婆姉妹
長女  ペギー葉山
次女  芦川いづみ
三女  浅丘ルリ子
スリ  フランキー堺
男  石原裕次郎
男  岡田真澄
男  津川雅彦
男  青山恭二

***

すると、先生の友人という日東ミュージカルの吉田が瀧伸太郎を偲んでミュージカル・ショー「踊る太陽」を開くことになったので、春子をヒロインにしたいと依頼してくる。春子は、大喜びで承知する。夏子や秋子さらにボーイフレンドたちも出演が認められ、滝家は再びレッスン場に戻り、賑やかになる。
やがて日東劇場でのジャズ・オン・パレード「踊る太陽」の幕が上る。明るく踊る三姉妹を、母は轟先生の隣で微笑んで見ていた。

お転婆三人姉妹 踊る太陽 1957.1.1 日活製作・配給

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