トスカニーニの全集を買った。
10年前ぐらいか、ベートーベンの9番のCDを20数枚聞き比べたことがある。
人によって全く演奏が違い、その違いを言語化するのも難しかった。
でも誰にでも分かる指標はスピードだ。
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トスカニーニは当時としては速かった。
これが時代の最先端を走っていたのか、最後尾を追走していたのかは分からない。
でもアメリカに渡り、クラシックを聴かない連中に受け入れられるためには、人と違うことをやらなければならなかったろう。
個人的にはスッキリしすぎているトスカニーニの第九よりフルトヴェングラーの十分にためた第九の方が好みなのだ。
でも当時の成長著しいアメリカという歴史を考えれば、トスカニーニの演奏もありだなと思う。
古い録音を聞くためには今のオーディオ製品より、ヴィンテージオーディオの方が向いている。
そこでリストアされたイギリスQuad社のパワーアンプ405-2を新たに導入した。
CDが発売されたが、まだ普及していない頃の大ヒット作品だ。
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プリにひとまず、Goldmund Mimesis SR Pre を使う。
つないでみると、コンデンサが総取っ替えしているようで、中高域に癖がある。
ポップスを聴くには勢いがあって良いのだが、トスカニーニ指揮によるベートーベンの第九を聞くと高域がうるさい。
かなりエイジングをこなさないといけないようだ。
手っ取り早く音を変えるためにはプリアンプを変えるのが良い。
同じQuad社の同時代の34が良いのではないかと思ったが、聞いてみると同じコンデンサを使っているようで、
同じ周波数帯に癖があるようだ。
となると選択が難しい。
そこでプリとパワーの間に中国Yaqinの安い真空管バッファーSD-CD3を入れてみた。
少しノイズが入るが、録音が古ければ気になるレベルではない。
全体に音が大人しくなり、うるさくなくなった。
それにやや音が広がったように感じる。
クラシック限定だが、良さそうだ。
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他にもライントランスでも同じようなことができると思う。
ヴィンテージオーディオの特集を組んでいたので、「ステレオ時代」というムックを買った。
アナログやNECアンプA-10の記事の他に、ハイファイ堂の社長の写真が出ていた。
良いお年のおじさんだった。
Quadやマッキントッシュ、マランツ、ラックスなどクラシックアンプのリストアで有名だが、現場は若い連中に任せているみたいで、若い音作りになっているようだ。

ステレオ時代 (NEKO MOOK) ステレオ時代 (NEKO MOOK)
(2013/12/17)
不明

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Quad 405-2 + Yaqin SD-CD3

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