前回に引き続き、CDプレイヤー(Nmode社のX-CD3)、ヘッドホンアンプ(Aurorasound 社のHeada)、ヘッドホン(PioneerのSe-Master1)によって、UHQ-CDとMQA-CDを比較してみよう。ジャズは前回聞いたから、クラシックを聴いてみる。ヘッドホンで聞き分けるのは、スピーカーで聞き分けるより、簡単にわかるからだ。
次のUHQ-CDとMQA-CDペアを聴く。
「これがハイレゾCDだ!クラシックで聴き比べる体験サンプラー」
クラシックは、抜粋が七曲入っていた。ともにまずCDを聞いてからMQAを聞いているが、何度か繰り返している。
そのうち、特徴的に聞こえた2曲をレポートする。結論を言うと、低域の解像度の差異が凄い。
リヒャルト・シュトラウス交響詩「ツァラツストラはかく語りき」
演奏はウィーン・フィルで、指揮はカラヤン。録音はDGだ。
MQAの方が、音が小さく聞こえた。ダイナミックレンジが広がったためだ。
それから最低音の辺りが全く違って聞こえる。低音の解像度が上がっているようだ。
ベートーベン 交響曲第五番「運命」の第一楽章冒頭
演奏はウィーン・フィルで指揮はカルロス・クライバー。これもDGの名盤。
MQAの方が、音場を広く感じた。
これもまた低域の解像度が上がっている。
ここには入っていないが、ダニエル・バレンボイムと不倫相手エレナ・バシュキロワ(ジャクリーヌ・デュプレの死後、後妻におさまる)の間に生まれた息子ミヒャエル・バレンボイムと、マルタ・アルゲリッチの演奏するドビュッシー作曲「ヴァイオリン・ソナタ」(ドイチェ・グラモフォン録音)でMQAとCDを別に聞いたことがある。微妙な差なのだが、ヴァイオリン・ソナタの基礎であるピアノの低音は、MQAの方が優れている。CDでは、ピアノの低音部が薄く聞こえて、ヴァイオリンの添え物だが、MQAは大先輩のアルゲリッチが煽っているように聞こえる。
クラシックに関しては、CDよりMQAの方に軍配を上げる。ただし、MQAとSACDやDSDを比べると、DSDの方が良い。MQAが優れているのは、コスト・パフォーマンスということになる。
注・都合によりロック&ポップス編は後日レポートする予定です。