フランスの国民的探偵であるメグレ警部シリーズを産みだした原作者ジョルジュ・シムノンは、他ジャンルの小説でも映画原作者として活躍した。
まず「仕立て屋の恋」、これはまずジュリアン・デヴィヴィエ監督が映画化して、89年にパトリス・ルコント監督が再映画化した。
「可愛い悪魔」はBBとジャン・ギャバン主演で映画化された。
さらに「倫敦から来た男」が2007年にタル・ベーラ監督によって映画化されている。他にも多数映画化されている。
メグレ物の映画、ドラマを含めて、彼は原作料だけでどれだけ儲けたのか。この中には愛川欽也の「東京メグレ警視」シリーズもあった。青山剛昌は「目暮警部」と言うキャラを20年以上使っているが、著作権料を払ってるのかな。
 
この「離愁」もシムノン原作である。ナチス・ドイツの空襲に会ううちに一時の情事を犯した人間の悲劇を描いている。
 

 

あらすじ

 

フランス北部から南部に向けて疎開する列車でたまたま乗り合わせた二人が、何度もドイツ軍の空襲に遇って生死の狭間をくぐる内に、互いに心と体を求め合うようになる。
しかし彼には妻子がいて、彼女はユダヤ人であった。終点に行き着くと自然と二人は別れる。彼は妻子と再会することが出来た。
しかし運命は皮肉だった。三年後レジスタンス活動をしていた彼女が警察に逮捕され、持っていた身分証から彼が呼び出される。
 
 

 

 

雑感

 

監督はピエール・グラニエ・ドフェール、主演はMr. 不倫のジャン・ルイ・トランティニャンと、独仏を股にかけて活躍したロミー・シュナイダー
ロミー・シュナイダーはフランス女優に混じると、とくに美人だと思わない。この人はアイドル顔である。ドイツ時代はかわい子ちゃん女優だったが、アラン・ドロンと出会ってから大きく成長して、フランスきっての正統派大女優となった。
この映画でもロミーが圧倒的に上手い。演技していることを全く感じさせない。一人の女性を覗き見しているような気持ちにさせる。
 
でもトランティニャンは昔から大嫌いだw。この映画でも彼は何の屈託もなく、妻子まで一緒に収容所送りにするのか。愛は残酷だ。
 
 

 

 

スタッフ・キャスト

 

監督・製作 ピエール・グラニエ・ドフェール
製作総指揮 ラルフ・ボーム
原作 ジョルジュ・シムノン
脚本 ピエール・グラニエ・ドフェール 、 パスカル・ジャルダン
撮影 ワルター・ウォティッツ
音楽 フィリップ・サルド
 
 
配役
アンナ ロミー・シュナイダー
ジュリアン ジャン・ルイ・トランティニャン
モニク ニク・アリギ
ジュリー レジーヌ
博労  フランコ・マツィエリ
モーリス  モーリス・ビロー

 

 

 

離愁 Le Train 1973 フランス・イタリア合作 (20世紀フォックス配給) ロミー・シュナイダー主演

投稿ナビゲーション