MGMの「ブロードウェイ・メロディ」シリーズ第四弾にして最後の作品。日本でも1940年に公開された。映画タイトルはその時代のものを使った。
MGMでの初主演となったフレッド・アステアと第2弾から連続出演しているタップ・ダンサー、エレノア・パウエルの唯一の共演作である。
あらすじ
ジョニー(フレッド・アステア)はキング・ジョー(ジョージ・マーフィ)とコンビを組む、場末のダンサー。そんな彼をスカウトマンが見初めて、エレノア・パウエル演ずるブロードウェイのスタア、クレアと共演させようとするが、間違ってキングと契約する。ジョニーは文句を言わず振付師に徹するが、ある日、彼が踊っているところをクレアが見て、その姿に痺れてしまう。
いよいよショーが開幕する日にキングは酔い潰れて劇場にやってくる。酔いを覚ます間、一曲目だけキングが代役に立ち、難を逃れた。
翌日の新聞はとくに一曲目を絶賛していた。その日もキングは酔い潰れて現れる。クレアが慌ててジョニーを劇場に連れて行って踊らせると、大喝采を浴びるのだった。
雑感
意外とアステアとパウエルの共演シーンは少ない。それでもクライマックスの「ビギン・ザ・ビギン」のタップ・シーンは圧巻。しかし中盤の「ジュークボックス・ダンス」の方がエレノアはお気に入りだったそうだ。どちらも28歳のパウエルが41歳のアステアと互角に張り合えるタップ・ダンサーであることを世に知らしめたダンス。最後は競い合ってしまってアステアの方が大人げなく見える。初期のジンジャー・ロジャースだったら、合わせるだけで彼女は必死だったが、あの時とは大違いだ。
しかし戦争のためにアステア・パウエルのコンビはこれきりになり、パウエルはグレン・フォードと結婚して家庭に入ってしまう。(16年後離婚)戦争がなければまたこのコンビも見られたかも知れない。
ジンジャー・ロジャーズの方もフレッド・アステアとコンビ別れしたからこそダンスに縛られず、アカデミー主演女優賞を受賞できた。
スタッフ・キャスト
監督 ノーマン・タウログ
製作 ジャック・カミングス
原案 ジャック・マッゴワン 、 ドア・シャーリー
脚色 レオン・ゴードン 、 ジョージ・オッペンハイマー
撮影 オリヴァー・T・マーシュ 、 ジョセフ・ルッテンバーグ
音楽監督 アルフレッド・ニューマン
作詞作曲 コール・ポーター
編曲 ロジャー・イーデンス
振付 ボビー・コノリー
配役
ジョニー フレッド・アステア
クレア エリナー・パウエル
キング・ショー ジョージ・マーフィー
ボブ・ケイシー フランク・モーガン
演出家マシューズ イアン・ハンター
エイミー フローレンス・ライス
エミー・ルー リン・カーヴァ
パール アン・モーリス