2004年01月21日(水)
No.115
監督 小津安二郎
出演 斉藤達雄 田中絹代
ネタバレあり—
大学4年生が下宿で雑魚寝して共同生活している。
いよいよ卒業試験だ。
みんな必死にカンニングの方法を考えている。
しかし、斉藤達雄ひとりだけが落第する。
彼には、パン屋に恋人(田中絹代)がいるが、落第したことを打ち明ける度胸がない。
彼女は彼に手作りのネクタイをプレゼントするが、彼が煮え切らない態度を取ると女は泣きながら「すべて知っています」と打ち明ける。
卒業した学生たちは新調の背広に着替え、張り切って就職試験に出かける。
しかしアメリカ大恐慌の影響で結局誰も就職できなかった。
落第した男は、六大学野球の応援に張り切ってまた楽しい大学生活を続けている。
—
皮肉な話だ。やはり人生は塞翁が馬なのだ。案ずるに及ばず。
それにしても小津は戦前は早稲田ファンで大学ネタをよく取り上げた。
(戦後は東大趣味になってしまった)
早稲田卒ではないのに、よく知っている。
落第はしたけれど (小津安二郎) 1930 松竹蒲田