渋い配役の映画だけど、近未来の介護問題を扱っている。
フランクは昔、盗みで刑務所に入っていた。今は更正して子供たちも独立し、悠悠自適の独り暮らし。最近ぼけ始めている。息子は老人ホームを嫌がる父のことを考えてロボットヘルパーを付ける。はじめは嫌がっていたフランクだが、ロボットのAIが優秀で良い相棒になることに気づく。ロボットは健康管理型ヘルパーで何か生き甲斐を見つけろという。フランクが思い付いたのは昔取った杵柄で泥棒だ。司書の女性が気に入って紙の図書館に通っていたが、デジタル化の波に勝てず閉鎖されるという。そこでその図書館に秘蔵されているドンキホーテの古書を盗み出そうと考える。ロボットと一緒に予行演習を行い、いよいよ決行して、成功する。しかし警察のデータベースにはフランクの名前は残っていた。警察は早速聞き込みに来た。慌てて証拠隠蔽を図るが、ロボットのメモリーだけはどうしても消せない。自分がぼけるのが怖いようにロボットが忘れることにも拒否反応があったのだ。
企画自体はなかなか面白い着眼点だ。結末には賛否両論だったが、人生に奇跡なんかない。この結末も一つの方法だと思う。ロボットヘルパーを作っている会社はロボット三原則に刑法遵守も加えることになるだろう。
スーザン・サランドンほどの女優がこんなちょい役でなぜ出ているのか最期になって驚きとともにわかる。だからそういう意味でハードウォーミングな作品だった。上映時間89分で軽く見るにも良い。
監督: ジェイク・シュライアー
出演: フランク・ランジェラ, スーザン・サランドン, ジェームズ・マースデン, リブ・タイラー, ピーター・サースガード
素敵な相棒~フランクじいさんとロボットヘルパー 2012 米国