フランシス・ホジソン・バーネットの「小公子」、「小公女」に続く名作小説「秘密の花園」の映画化。

マーガレット・オブライエンと子役時代のディーン・ストックウェルの共演した1949年MGM製作「秘密の花園」がなかなか見られないので、1993年フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮の方を見た。

 

お話はよく知ってるとおり。インドで孤児になったわがまま娘メアリー・レノックスはイギリス・ヨークシャーの地主である伯父の家に引き取られる。そのお屋敷には十年前に妻を亡くして以来屋敷を留守にしがちな根暗の主人とその病弱な息子コリン、口うるさい女中頭メドリック夫人がいて陰鬱な空気が漂っていた。メアリーはある日、母や伯母が生前大切にしていた庭園を見つけた。しかし10年間放置されていたため荒れ果てていた。それ以来、メイドの弟ディコンとともに庭園の雑草を抜き花の種を播いて小動物たちを呼び集めることにより子供らしい心を取り戻す。その優しさは従兄のコリンに向けられる。コリンは母たちが大切にしていた秘密の花園の話に興味を持ち、はじめて外に出たいと宣言する。そして実際に復活した花園を見て、生きている喜びを感じ自分の足で歩き出す。最後は根暗だったご主人も花園のことに気がつき、笑顔を取り戻す。

 

花園でメアリーとディコンが見つめ合い良いムードになり、コリンが怒り出すシーンがある。またラストで主人がコリンやメアリーを抱きしめるが、ディコンはそっと身を引き様子を遠巻きに馬上から眺めている。
児童文学であっても英国の身分制を忘れるわけにいかない。これが「嵐が丘」なら話が違う方向に進み出しただろう。

 

主役の子供たちは見た目は冴えないが、演技力はしっかりしている。
ポーランド人女性監督アニエスカ・ホランドの演出も評判が良くて、総合評価は思ったより高い。
花が咲く様子を微速度撮影したのが評価されたのだろうか?
総じてワーナーの作品だが昔のディズニーにやや似た作風になっている。
原作の方はジブリ映画に大いに影響を与えたであろう。

 

次は美空ひばりとも共演したことがある名子役マーガレット・オブライエンの「秘密の花園」を見てみたい。
「若草物語」のベス役で見せた彼女の愛らしさは別格だったから。

 

 

監督 アニエスカ・ホランド
脚本 キャロライン・トンプソン
原作 フランシス・ホジソン・バーネット
製作総指揮 フランシス・フォード・コッポラ
出演者
ケイト・メイバリー
ヘイドン・プラウス
アンドリュー・ノット
マギー・スミス
ジョン・リンチ

秘密の花園 1993 ワーナー

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