(☆)エリック・ロメールが1951年に撮った短篇自主映画「紹介、またはシャルロットとステーキ」に、20歳の映画オタクであったジャン=リュック・ゴダールが主演した。
ロメールがそのシリーズ第二弾として脚本を執筆し、ゴダールが自主演出したのがこの作品だ。

21分の白黒35mm短編映画で、一般公開は2年遅れの1959年。当時、ゴダールは「勝手にしやがれ」の監督として注目を集めていた。撮影は、パリ市内で行われている。
主演はアンヌ・コレットジャン=クロード・ブリアリ

 

ストーリー

学生であるシャルロットとヴェロニックは、パリのアパルトマンをシェアする仲である。二人はリュクサンブール公園で待ち合わせする。シャルロットは先に着いたが、ヴェロニックはまだ来ない。そこをパトリックという青年にナンパされ、ついつい乗せられ明日会う約束をさせられる。
シャルロットが席を外し、ヴェロニックが到着すると、パトリックは、彼女とも明後日に約束を入れる。
二人が部屋に戻ると、シャルロットもヴェロニックも、新しく出来たBF「パトリック」のことを別人だと思って和やかに話す。
翌日二人は、街で女性をナンパして車に乗り込むパトリックを見つける。彼はどこでも誰とでも声をかけていたのだ。二人と目が合って、パトリックは気まずい。

 

雑感

「紹介、またはシャルロットとステーキ」において二股を掛けた男を振ったシャルロットが、花の都パリでナンパ男パトリックにまたしてやられた。
パトリック役には、のちの名優ジャン=クロード・ブリアリを起用している。流石に、パリの本職のナンパ野郎は、どんなに拒否られようが、最後は落としてしまう。その根性は認めなければならない。でも彼の顔を見ると、どこかタレントのE・H・エリックを思い出してしまう。
ゴダールの作品としては、超軽薄だ。製作当時は、処女長編映画「勝手にしやがれ」の発表の2年前であった。巨匠も初期にはいろんなものを作っていたのだ。

スタッフ

監督 ジャン=リュック・ゴダール
脚本 エリック・ロメール
製作 ピエール・ブロンベルジェ – レ・フィルム・ド・ラ・プレヤード
音楽 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
撮影 ミシェル・ラトゥーシュ

 

キャスト

ジャン=クロード・ブリアリ (パトリック)
アンヌ・コレット (シャルロット)
ニコル・ベルジェ (ヴェロニック)

 

男の子の名前はみんなパトリックっていうの Charlotte et Véronique ou Tous les garçons s’appellent Patrick (1957) プレヤード製作 ゴーモン配給 ゴダールの短編映画

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