勝プロ作品。
勅使河原宏監督、安部公房原作脚色、武満徹音楽。
砂の女の黄金コンビがあの勝新太郎と一緒になって、この名作小説「燃えつきた地図」をどう料理するか?
「他人の顔」同様に現代社会に生きていくことへの不安感を描いている。
すべての束縛、しがらみから解放されたとき、現代人は幸せを感じてしまうようになってしまった。
これは決して30年前の話でなく、我々もそういうことを心のどこかで期待している。
最近は蒸発でなく引きこもりが流行だ。
その話のもとには、男性の性欲減退があるんじゃないか。
勝新太郎は思った以上のできだ。
この人は何を言ったって、勝新のせりふにしてしまう。
安部公房が書いたせりふでもだ。
ベッドシーンでのパンツ一丁の姿ものちの有名な事件を思い出させてくれた。
市原悦子が「他人の顔」の京マチ子や「砂の女」の岸田今日子同様に脱いでいるんだが、これは作者や監督の趣味なのか?
怖いもの見たさのシーンだった。
吉田日出子が事件の鍵を握る喫茶店のウェイトレス役で出ていた。
ゲバゲバ90分以前の姿は始めてみると思う。
寅さんこと渥美清も松竹からの客演だろう。
テレビ版寅さんのさくら・長山藍子がストリッパー役で出てきた。今よりおばさんに見えた。昔はいろいろな役をやっていたんだなあ。
燃えつきた地図(1968)大映