ホラー・ミステリ映画「スクリーム」シリーズの製作配給会社ディメンション・フィルムが、お送りする公式パロディ映画。
話の大筋は「スクリーム」第一作と同じだが、「スクリーム2」など様々な映画のパロディ・シーンを織り込んでいる。
主演はアンナ・ファリス、監督はキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ。
あらすじ
ハロウィンの夜、高校生のアイドルだったドリューは、脅迫電話を受け、直後に映画「スクリーム」のマスクを付けた怪人に襲われる。彼女は怪人から逃げるが、勢い余って父親が運転する車に轢かれ、怪人にナイフでトドメを刺される。
殺人事件は、平穏だった街を恐怖に陥れる。シドニーではなく、シンディ・キャンベルは、犯人からのメモを受け取った。そこには、「去年のハロウィンに何があったか知っている」とだけ記されていた。
昨年のハロウィンにシンディと仲間達はドライブ中に誤って男をはね殺して、誰も知られないうちに海に捨てた。その一年後にドリューが殺されたのだ。
ある夜、シンディの部屋にマスクを付けた男が侵入した。シンディが殺される直前に警察が突入してくる。さらにボビーも訪問して来る。
ボビーは重要参考人として警察署に連行される。しかしその後、シンディに再び犯人から電話が掛かって、ボビーが犯人でなかったことが判明し、彼は釈放される。
その後も、グレッグやグレッグの恋人バフィーが刺し殺される。
シンディは、なぜかホームパーティを提案する。しかしシンディの仲間達は、そこへ行き着く前に殺されていく。
夜になり、シンディの家にボビーがやって来た。かつては貞操帯をしてまで婚前交渉を拒絶したシンディだったが、この日は解放的になり、ハードなセックスに至る。なんとボビーは、童貞だった。
その後、マスクの男が家に侵入して来て、ボビーを刺した。シンディはマスク男に捕まる。
犯人はボビーであり、黒人の友人ショーティが共犯者だった。ボビーの動機は、シンディが焦らす間にボビーがゲイに走ったためである。二人はゲイ・バーで知り合った。しかし、ショーティは「自分はゲイでない」と頑なに否定した。
二人は、自分たちも惨劇の被害者に成りすまそうと考え、互いに傷つけ合うことにしていた。ショーティは、ボビーを何度も脇腹を刺すうちに楽しくなり、殺してしまう・・・。
雑感
「スクリーム」の公式パロディ映画として、上映第一週に全米第一位になった作品。当時は、日本でも話題になった。
「スクリーム」自体が、パロディ要素満載だったため、さらに下品で過剰なお笑いパロディと言える。絶叫計画シリーズは、本家の「スクリ-ム」四部作よりも長く続き、全五作品である。
ネタにされた作品のうち気が付いたのは、
「スクリーム」「スクリーム2」「マトリックス」「シックス・センス」「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「ユージュアル・サスペクツ」「エルム街の悪夢」「タイタニック」「アミスタッド」である。
気が付かなかった作品は、
「ラストサマー」「アメリカン・パイ」などだった。
スタッフ
監督 キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ
脚本 ショーン・ウェイアンズ、マーロン・ウェイアンズ、バディ・ジョンソン、フィル・ボーマン、ジェイソン・フリードバーグ、アーロン・セルツァー
製作 エリック・L・ゴールド、リー・R・メイズ
製作総指揮 ケイリー・グラナット、ピーター・ブラッド・グレイ、ピーター・シュウェリン、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン、ボー・ゼンガ
音楽 デヴィッド・キタイ
撮影 フランシス・ケニー
キャスト
アンナ・ファリス・・・シンディ・キャンベル
ジョン・エイブラハムズ・・・恋人ボビー
シャノン・エリザベス・・・友人バフィ
ロックリン・マンロー・・・グレッグ(バフィの恋人)
レジーナ・ホール・・・ブレンダ(黒人)
マーロン・ウェイアンズ・・・ショーティ(ブレンダの恋人)
カルメン・エレクトラ・・・最初に殺されるドリュー
ショーン・ウェイアンズ・・・レイ
シェリ・オテリ・・・レポーターのゲイル
ダン・ジョフレ・・・ケニー
デイブ・シェリダン・・・保安官補佐のドゥーフィ
カート・フラー・・・保安官
デイヴィッド・L・ランダー・・・スクイッグマン校長
リック・ダコマン・・・シンディの父
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しかし、ショーティも背後から近付く別のマスク男によって刺し殺される。開き直ったシンディは、突然空中に浮いてカンフー技(マトリックス)を繰り出し、マスク男を追い払う。
警察署で保安官とシンディは、一年前の交通事故を知る人間は誰か考えていると、いまだ捜査線上に上がっていない男が一人見つかる。バフィーの兄で、掃除機をこよなく愛するドゥーフィーという知的障害者だった。保安官はドゥーフィーを探すが、彼は姿を消していた。
彼は知的障害者を装っていただけで、実はすごいイケメンだった(ユージュアル・サスペクト)。最後に、ドゥーフィーはレポーターのゲイルの車で颯爽と街から立ち去るのだった。