暗殺者の家 The Man Who Knew Too Much 1934 ゴーモン・ブリティッシュ製作・配給 東和商事1935年国内配給
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「M」主演した名悪役ピーター・ローレ がユダヤ人であるためにナチスの迫害から逃げてきて、英ゴーモンで主演した映画。レスリー・バンクス、エドナ・ベルト が共演している。原作はチャールズ・ベネット、ウィンダム・リウィス の探偵小説。これをA・R・ローリンソン とエドウィン・グリーンウッド が脚色し、アルフレッド・ヒッチコック が監督した。後にヒッチコックがリメイクした「知りすぎた男 」のオリジナル作品。
あらすじ
ロンドン在住ローレンス夫妻は一人娘のペティを連れてスイス・サンモリツに観光旅行に来ていた。ホテルで友人ルイスが射殺された。ローレンス氏はルイスの部屋から小さな紙切れを発見した。イギリス外務省の一員だったルイスは、ある秘密を突き止めるが、本国に連絡する前に暗殺されたのだ。その紙には何かの場所と時間が記されていた。ところがその秘密を当局に報告されたくない誰かが、娘ベティを誘拐する。
ロンドンへ戻ったローレンス氏は、ベティを取り戻すために当局の協力を得ずに、紙に書かれた場所を探した。そこには新興宗教の教会があった。ローレンスと友人クライヴは教会に乗り込むが、クライヴが人質になってしまい、ローレンス氏までも捕らえられてしまう。するとスイスで会ったアボット氏と射撃の名手レヴァインが現れる。アボット氏は暗殺団の首領で、部下レヴァインが秘密を知ったルイスを射殺したのだった。アボット氏が暗殺場所をロイヤル・アルバート・ホールだと漏らす。ローレンスは警察に通報するため、ひと暴れしてクライヴを逃す。クライヴはローレンスの妻ジルに知らせた後、警察に通報する。しかし警察の応対に出たアボットは、言葉巧みにクライヴこそ教会荒らしであると通報して逮捕させる。
妻ジルは一人でロイヤル・アルバート・ホールへ出掛けた。その場でレヴァインの姿を見て、音楽会に来ていた大使を暗殺するつもりだと知る。
ジルが大声で叫んだ瞬間、大使が倒れるが軽傷で済む。レヴァインは逃げ出し、ジルは警官とともに彼の跡を追う。アボット氏は警官隊が教会の周囲を包囲しているのを知った。凄じい銃撃戦が起きた。まずレヴァインが撃たれ、ついにアボット氏も扉の影に隠れているところを射殺される。ベティは無傷で、ローレンス氏は肩を撃抜かれたが救出された。
雑感
アルフレッド・ヒッチコック 監督の「知りすぎた男」(1956)のオリジナル映画である。原題はどちらも同じだ。
主演は夫妻役のレスリー・バンクスとエドナ・ベルトだが、ピーター・ローレの亡命第一作にあたり出番は少ないが、ローレに完全に喰われている。リメイクでのドリス・デイと異なりエドナ・ベルトは歌わない。
ラストの銃撃戦はロンドン・イーストエンド地区で起きたシドニー・ストリート包囲戦 (1911年にラトヴィア人マフィアを警察と軍隊が包囲・銃撃した作戦)をモデルにしている。
配給の東和商事 合資会社は1928年、川喜多長政により外国映画輸入配給を事業として設立された。戦前はドイツ、フランス等欧州映画の輸入配給の最大手だった。1937年には初の日独合作映画「新しき土」を製作した。
スタッフ
監督 アルフレッド・ヒッチコック
原作 チャールズ・ベネット 、 D・B・ウィンダム・リウィス
脚色 エドウィン・グリーンウッド 、 A・R・ローリンソン
台詞 エムリン・ウィリアムズ
撮影 クルト・クーラント
キャスト
アボット氏 ピーター・ローレ
夫ローレンス氏 レスリー・バンクス
妻ジル・ローレンス エドナ・ベルト
娘ベティ ノヴァ・ピルビーム
銃の名手レヴァイン フランク・ヴォスパー
友人クライヴ ヒュー・ウェイクフィールド
外務省官僚ルイス ピエール・フレネー
アグネス サイスリー・オーツ
ビンステッド D・A・クラーク・スミス
ギブソン ジョージ・カーゾン
関連
-
01.映画 , 12. 欧州映画 , 20.英・愛(~69年) アルフレッド・ヒッチコック , ウィンダム・リウィス , エドウィン・グリーンウッド , エドナ・ベルト , サスペンス映画 , シドニー・ストリート包囲戦 , チャールズ・ベネット , ピーター・ローレ , レスリー・バンクス , 誘拐劇 , A・R・ローリンソン
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