2004年02月10日(火)  No.146
監督 : 小津安二郎
脚本 : 野田高梧 / 小津安二郎
撮影 : 厚田雄春
音楽 : 斎藤高順
美術 : 浜田辰雄

 

配役:
池部良 (杉山正二)
淡島千景 (杉山昌子)
浦辺粂子 (北川しげ)
宮口精二 (田村精一郎)
杉村春子 (田村たま子)
岸恵子 (金子千代)
高橋貞二 (青木大造)
笠智衆 (小野寺喜一)
山村聡 (河合豊)
長岡輝子 (母さと)
東野英治郎 (服部東吉)
須賀不二夫 須賀不二男(田辺)
中村伸郎 (荒川総務部長)

 

杉山は東京の有名企業でサラリーマンをしている。
妻昌子との間は最近倦怠気味だ。
実は子どもがいたのだが、疫痢で亡くして以来、杉山は何もする気が起きないのだ。
仕事仲間と遊ぶことばかり考えている。
そんな心の隙を千代はついてきた。
ある日、二人は外泊してしまう。
女房はごまかしたが、会社の連中がかぎつけた。
会社の食事会で千代はみんなに責められる。
しかし杉山はそのころ三浦の見舞いに行っていた。
見舞いから戻ると、千代が顔を出してくれと訪ねてくる。
妻にはばれたようだ。
次の日から妻は里へ帰った。
三浦も死んでしまった。
三石への転勤の話も部長から出てくる。
しょうがなしに一人で荷物をまとめ赴任先へ行く杉山。
三日経ってようやく妻もやってきた。
杉山は妻に謝る。
新しい土地での生活が二人を待っている。
何かが変わりそうな気がした。

サラリーマン物語かと思ったが、後半は淡島千景と岸恵子の「女の戦い」。
岸恵子はほれっぽくて、あとぐされも若干残す重いタイプ。
男からするとちょっと怖いタイプだ。
淡島千景は静の演技がほとんどで、客の気持ちをぐっと引きつけるものはなかったように感ずる。
ただ、女性としてリアリティは感じた。
池辺良はやはりどっちつかずで、女にだらしないタイプ。

それにしても、会社の仲間の「蛍の光」といい、軍隊仲間の「ツーレロ節」といい、カラオケのなかった頃は、みんな合唱好きだったんだな。

早春 1956 松竹

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