主演にユダヤ人に見えないクリストファー・プラマーを起用している。
認知症を患った老ユダヤ人がナチスの生き残りを成敗するため、最後の旅に旅立つお話。
しかし、結末は何のひねりもない完全なイヤミスである。(読後感の嫌なミステリのこと)
あらすじ
ユダヤ人介護ホームで暮らすマックスは、足が不自由だが、ナチスの生き残りに関する証拠を掴んでいた。
認知症が進む友人ゼブに施設から脱走させて、かつて収容所にいて家族を殺したナチスを抹殺しようと計画する。
物忘れの激しいゼブのため、手紙を渡して使命を思い出すようにした。
目標はオットー・バリッシュというナチスの残党。それがカナダにいるのだが、ルディ・コランダーと名乗って普通の年金生活を送っているという。
しかしルディ・コランダーは四人いて、どれか分からない。
そこで一人ずつ訪問して、確かめていくが、たしかにどれもドイツ人だった。
しかし最初のは北アフリカ戦線で戦っていたし、二人目はたしかに収容所にいたドイツ人だったが、ホモセクシュアルのため、収容される側だったのだ。
三人目は収容所のコックであり、しかも死んでいた。しかし出てきたネオナチ警官の息子とトラブルになり、謝って射殺してしまう。
そこでショックのあまり入院するが、ゼブの息子が迎えにくることになる。ゼブは手紙を見て自らの使命を思い出し、再び旅に出る。
四人目を見ると、デジャビューがあった。こいつを知っている。相手もまた気づく。ところが話が噛み合わない。そのうちに相手はゼブこそが真のオットー・バリッシュだと言い出す。その瞬間、何もかも思い出す。「父さん!」と息子の声がする。ゼブはコランダーに対して引き金を引き、ついでに自らも自決した。
雑感
最初から結末は分かっていた。しかし大多数の人は、それでも感動したと言う。
私は全く感動しなかった。結末が見えていたなら、どうしてそれを捻って最後にどんでん返しにしなかったのだ。
予測した結末の中で最悪の結果になった。
認知症だからと言って刑の執行を猶予する仕組みは納得していない。
だから死んで当然と思うが、かつての同僚を道連れにするのを間違えているだろう。
ユダヤ人は怖いなあという感想しか残らない。
唯一の救い、マックス役を演じているのがマーティン・ランドーとは騙された。スパイ大作戦だったな。
キャスト・スタッフ
監督 アトム・エゴヤン
プロデューサー ロバート・ラントス 、 アリ・ラントス
脚本 ベンジャミン・オーガスト
配役
ゼブ クリストファー・プラマー
ルディ #1 ブルーノ・ガンツ
ルディ #4 ユルゲン・プロホノフ
ルディ #2 ハインツ・リーフェン
ゼブの息子 ヘンリー・ツェニー
ジョン ディーン・ノリス
マックス マーティン・ランドー
手紙は憶えている Remember 2015 カナダ・ドイツ共同製作