2004年01月17日(土)
No.111
製作 ……………. 磯野利七郎
監督 ……………. 小津安二郎
脚本 ……………. 池田忠雄、 小津安二郎
戸田進太郎 … 藤野秀夫
母 … 葛城文子
長女千鶴 … 吉川満子
長男進一郎 … 斎藤達雄
妻和子 … 三宅邦子
二男昌二郎 … 佐分利信
二女綾子 … 坪内美子
夫雨宮 … 近衛敏明
三女節子 … 高峰三枝子
友人時子 … 桑野通子
—ネタバレあり。
父が急逝する。
その後、借金があることがわかり、家を処分することになった。
家を追い出された母と末娘は、長男夫婦のもとに居候になる。
しかし嫁の母いびりが厳しく、末娘は耐えられない。
それで長女のところに移る。
しかしここでも、妹の身で仕事を持つなんて世間体が悪い、と妹を叱り、子どもの教育に口を挟むな、と実母を疎んじる。
結局、母と末娘は、鵠沼の別荘へばあやを連れ、引き込むことにした。
やがて父の一周忌が来る。
中国天津勤務の次男坊が帰ってきて、事情を知る。
次男坊は母のことをあれだけ頼んでいたのに、どういうことだ!と兄妹たちを怒鳴りつける。
兄妹たちはすごすご引き上げていき、法事の席には次男と母と末娘だけが残る。
末娘は泣いていた。
次男坊は、こうなったら母と妹を天津に連れて行こうと決心する。
しかし妹は、友人の時子を兄の嫁に薦める。
時子は家柄は低いが、しっかり者の職業婦人だ。
次男坊は照れて何も言えない。
そして時子さんがみえました、と言う声を聞いて、裏口からそそくさと逃げ出すのだった。
辛口のホームドラマだ。
上流階級(斜陽族)のお話だから、貧乏人が見てると、いい気味だと思うことが多い。
高峰三枝子を可愛がる兄・佐分利信は非常に美味しい役だ。
しかし母を天津まで連れて行き、大丈夫か?
その後戦争に巻き込まれるわけだから、一番の親不孝者かも知れない。
桑野通子は年を重ねてきて久野綾希子に似てきたと思う。
どんどん華やかになっている。
それに比べると、高峰三枝子はお姫様の感じ、純日本風か。