家族映画だが、成瀬らしく音楽にピアノ曲を使っている。
母三益愛子、娘原節子、妻高峰秀子の三大女優・顔見せ映画である。
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母あきは長男勇一郎、その妻和子一家と同居している。
長女早苗は夫と死別し、子供がいなかったため実家に帰ってきた。
勇一郎は和子の叔父に融資しているが、叔父はさらに追加融資を頼んできた。
勇一郎は、早苗が夫の死によってもらった、保険金を融通するが、叔父は事業に失敗して蒸発する。
債務を負った勇一郎は、母の名義の土地を手放さなければならない。
そのことで他の兄弟たちは兄を責める。
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これを見て驚いた。
戦後15年経って新民法は、この程度しか行き渡っていなかったのか。
いささか、大人しすぎる決着だ。
まだ実質的に旧民法の戸主制度が残っていたのだ。
兄弟が5人もいて、現在なら、裁判沙汰か骨肉の争いになってるところだ。
三大女優の顔見せはあくまで顔見せでしかなかった。
原節子と高峰秀子にとっては、最後の共演作らしい。
せっかく嫁と小姑なのだから、もっと見せ場がほしかった。
キャスト(役名)
三益愛子 (坂西あき(母)、子供に恵まれた母だったが、最後は老人ホームの世話に?)
原節子 (早苗(長女)、有閑マダムだったが、夫が死に婚家に出され、急に人生の荒波をかぶることになる。。)
森雅之 (勇一郎(長男)、サラリーマン)
高峰秀子 (和子(長男の嫁)、子供一人を持つ主婦。)
団令子 (春子(三女)、ワイン会社につとめ、独身。)
草笛光子 (谷薫(二女)、幼稚園の保母で、既婚。)
杉村春子 (谷加代(薫の姑)、強力な婆で、別居を拒否。)
宝田明 (坂西礼二(二男)、カメラマンで、既婚。)
仲代達矢 (黒木信吾(醸造技師)、原節子と付き合っていたが、彼女の母のために別れる羽目に。)
加東大介 (鉄本庄介(和子の叔父)、お金を借りるだけ借りて、逃げてしまう。)
中北千枝子 (戸塚菊(早苗の友人)、証券会社の外交員)
上原謙 (五条宗慶(早苗の見合の相手)、最後は原節子と結ばれる。)
笹森礼子 (モデル、日活女優だが、東宝に貸し出された。)
スタッフ
監督 : 成瀬巳喜男
製作 : 藤本真澄
脚本 : 井手俊郎 / 松山善三
撮影 : 安本淳
音楽 : 斎藤一郎