1980年に黒色矮星が地球に再接近してパニックが起きる話。原案は丘美丈二郎、脚本は木村武、監督は本多猪四郎、特技監督は円谷英二である。
主演は池部良志村喬。ヒロインは白川由美、水野久美

 

黒色矮星は物理的にはまだ見つかっていない理論上の存在だ。太陽が赤色矮星さらに白色矮星化して温度が冷え始め黒色矮星になるまでに1000兆年かかる。

 

またという探査船が出てくる。「初代隼」は実際、小惑星イトカワの探査機の名称として使用されている。これは糸川英夫博士が帝国陸軍一式戦闘機隼の開発者の一人であるのが、理由と言われるがガセネタである。鳳号の方は「ウルトラマン」の金星ロケットで登場し、バルタン星人に乗っ取られる。

 

メカは「宇宙大戦争」よりウルトラマンに近づいている。映画にもビートルと言う飛行機が現れるが、垂直離陸機VTOLから名付けられた。またウルトラシリーズに出演していた俳優も何人か出演している。

 

 

あらすじ

 
第一回土星探検宇宙ロケット隼号は、航行途中、地球の六千倍という星ゴラスが地球に近付きつつあると報告を受ける。ロケットはその引力に引かれ、ゴラスと衝突する。
隼号のゴラス調査データを解析すると、ゴラスは地球に衝突する恐れがあることがわかる。国連は日本に宇宙ロケット鳳号をゴラス調査に派遣するよう要請する。

 
南極大陸に原子力ジェットを並べた地球を軌道から外すための推進基地が作られる。ある日南極で突然震動がおこり巨大なアシカのような怪獣マグマが出現した。何とかこれを倒すが、ゴラスの引力で月は破壊され東京タワーの四分の一は水没した。
鳳が帰ってきたが、最接近したパイロット金井は記憶を失っていた。
データが揃って、ようやく原子力ジェット機関が動き出し、地球はゴラスの脅威からから逃れた。次の課題はどうやって元の軌道に戻るかだった。
 

 

雑感

 
科学的には無茶苦茶な話だ。月が既に破壊されて海の潮汐が変わってしまう。またおそらく陸地の大半は水没しており元に戻すのにとてつもない時間がかかりそうだ。

 
鳳隊員のための壮行会で軍歌のような青春歌謡が歌われるが、こういう音楽は東宝ならではのものである。この映画の場合は石井歓による。

水野久美の入浴シーンあり。
 

スタッフ・キャスト

 
監督 本多猪四郎
製作 田中友幸
原案 丘美丈二郎
脚色 木村武
撮影 小泉一
特技撮影 有川貞昌 、 富岡素敬
特技監督 円谷英二
音楽 石井歓

 
配役
田沢博士 池部良
河野博士 上原謙
園田謙介 志村喬
園田智子 白川由美
滝子 水野久美
関総理 佐々木孝丸
木南法相 小沢栄太郎
多田蔵相 河津清三郎
村田宇宙省長官 西村晃
秘書 佐多契子
園田艇長 田崎潤
真鍋副長 桐野洋雄
遠藤艇長 平田昭彦
斎木副長 佐原健二
金井達麿 久保明
若林 太刀川寛
伊東 二瓶正典
通信員 西条康彦
観測長 野村浩三
真田技師 三島耕

 

 

 

 

妖星ゴラス Garath 1962 東宝作品

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