1978年度芸術祭大賞受賞作品。
原作は言わずとしれた、松本清張の短編。
「伊豆の踊り子」と同じ年に、逆方向に向けて天城越えをした少年の冒険譚だ。
少年を鶴見辰吾、年老いてからは宇野重吉が演じている。
娼婦役の大谷直子が実にきれいだった。(後年、同じ役を演じた田中美佐子の方が個人的には好みなのだが、このときの大谷の方がより凛とした美しさを感じた。)
ベテラン俳優陣の顔を見ているだけで楽しくなる。
原作では土工(佐藤慶)や娼婦の背景については描かれていなかったのだが、ドラマではその謎に迫っていた。
松本清張がゲスト出演しているぐらいだから、この解釈には彼も了承していたのだろう。
若い頃の田島刑事を津田恵一が演じている。この人は、あまり見たことがない。
年を取った田島を中村翫右衛門が演じていたから、前進座の関係者かと思ったが、やはりそうであった。
でもこの役は孫の中村梅雀にやらせたかった。
出演 大谷 直子、佐藤 慶、鶴見 辰吾、中村翫右衛門、宇野 重吉、松本 清張、津田 恵一、玉川 良一
演出 和田勉
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