2004年01月09日(金) No.102
監督 : Jean Renoir (ジャン・ルノワール)
脚本 : Jean Renoir / Charles Spaak
撮影 : Christian Matras / Claude Renoir
音楽 : Joseph Kosma
配役
ジャン・ギャバン (Marechal)
Dita Parlo (Elsa)
Pierre Fresnay (Boeldieu)
エリック・フォン・ストロハイム (Paufenstein)
Marcel Dalio (Rosenthal)
第一次大戦中の脱獄もの。
ドイツの捕虜となった将校マルシャル、ユダヤ人の成金ローゼンタール、貴族出身のボルデュは、穴を掘って脱走する計画を立てるが、実行寸前に他の収容所に移送される。今度の収容所は容易く脱走出来そうにない。収容所長はボルデュと仲の良いパウフェンスタインだ。そこでボルデュが良いアイデアが浮かぶ。彼が騒ぎを起こしてドイツ兵士の注意を集めている間に、マルシャルとローゼンタールを脱走させる。しかしボルデュは撃たれ、死亡した。
マルシャルとローゼンタールはアルプス越えに挑んでいた。アルプスはクリスマスの頃、雪が降り積もり、寒さが二人を襲う。そんなとき、エルザという女性が助けてくれた。エルザは幼い娘と暮らしていた。二人はサンタに扮してクリスマスを祝った、久しぶりの団らんだった。マルシャルは彼女を残して行くのは辛かったが、後ろを振り向かずに国境に向けて進んだ。もうすぐ戦争は終わる、もう二度と戦争はなくなる、そうしたらエルザと娘を迎えに来よう、マルシャルは心に誓っていた。
ヒューマニズムの香りを漂わせる戦争脱獄映画の傑作。フランスの脱獄ものというと失敗する映画「穴」が有名だが、この映画は成功裡に終わる。
「大いなる幻影」という題だが、二度と戦争をしないことを幻だと言っているのではないか。逃げたってまた戦わなければならない。戦争が終わったって、また始まる。終わることのない永遠の脱走劇だ。考え過ぎか。
「大脱走」と比較すると」、掘った土の処理に困ったことが似ている。アルプス越えは「大脱走」でも成功していた。