日本の美、とくに茶道をテーマにした川端作品。
どちらも松谷染佳(劇団東京ルネサンス)の朗読である。
この人の声では多少合わないかなと危惧したが、心配無用だった。
華やかさを殺して演じていた。
しかしこの作品は、千羽鶴であって千羽鶴ではない。
中編小説「千羽鶴」の第一章「千羽鶴」だけを語っている。
せめて中略してでも、最終章も語って欲しかった。
続編「波千鳥」にしても一章しか語っていない。
なんとも中途半端である。
ビデオ「千羽鶴」
大映が二度映画化している。
1969年増村保造作品(ノーベル賞受賞記念作品)と1953年吉村公三郎作品。
ともに新藤兼人脚本。
実は私もどちらも見ていない。
前者は太田夫人が若尾文子、菊治に平幹二郎、後者は太田文子に乙羽信子、菊治に森雅之。配役の重点がはっきり違っている。
私なら、後者を見たい。
映画でいいから、手っ取り早く「千羽鶴」の筋を知りたい方はこちら。
「波千鳥」は菊治とゆきこと結婚するところから、話は始まる。
(懐音堂から再掲)
千羽鶴、波千鳥 川端康成 横浜録音図書