スマホでの音楽ストリーミング・サービスは国内勢がだいたい出揃った。

しかし本命のアメリカSpotifyがなかなかサービスをはじめられない間に、Apple musicに喰われて収益が悪化したようだ。

日本でも某著作権団体にかなり露骨な圧力を掛けられる形になると思うので、たとえ事業を始めることが出来てもあまり収益が出ないと思う。

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ここで代表的な日本勢とApple Music、Amazon Music、Google Play Musicを比較したい。

まずUSENの「スマホUSEN」というアプリである。はじめのうちは価格が高いし楽曲のダウンロードはできないし、セットリストが替わらないという欠陥があった。しかし他社の追い上げに対して、価格を半額に下げチャンネル数を増やして、とくに邦楽、洋楽の懐メロファンに注力している。シャンソン、カンツォーネ、クラシックのチャンネルもある。有線放送のように聞き流すだけならなかなか良いだろう。HMVがやっているUSENのアプリもあるが、今のところスマホUSENとほぼ同じ内容である。

次にdocomoの会員限定サービス「d-ヒット」である。実際にはレコチョクが運営している。これもUSEN同様ダウンロードは出来ない。ヒットソング中心だが、日替わりで懐メロや80年代のマイナーアイドルソングを流す懐メロチャンネルがいくつかある。価格はスマホUSENと替わらない割りには懐メロチャンネルが少ないので割高感があるが、ここでしかかからないような地味な曲があるので捨てがたい。しかし先日箱崎晋一郎の曲がなんとカラオケだった。それも二週続けてである。これにはあっけにとられた。レコチョクではアルバイトに選曲させているようだ。

Lineの音楽ストリーミングサービス「Line Music」は若者向けであり、ジャンルがかなり狭い。大人は聞く気にならない。

AU系で台湾KKBOXのシステムを使ってレコチョクの楽曲を流していた「LISMO」というサービスがあったが、2013年にマルチプラットホーム向けに「KKBOX」というブランドになった。経営はKDDI系子会社である。Android風インターフェースはダサい。セットリストが若者向けに偏っている。しかし邦楽の曲数はもっとも多いらしい。だから大人向けセットリストを自作できる人は楽しめるだろう。ダウンロード可能。洋楽嫌いな人にはとくにオススメ。

Avex系列の「AWA」は最近曲数が増えてきたようだ。インターフェース・デザインはもっとも格好いい。ダウンロードも可能になった。しかしまだKKBOXの小型版だからしばらく様子見。音質だけは320kbpsなのでなかなか良い。

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さて外国勢からは、本命「Apple Music」である。ダウンロードは可能。音は256kbpsであまり良くない。さらに邦楽に弱い。松田聖子はほぼ全曲聞けるようになったが、小泉今日子はまだである。しかしiphoneは容量が限られるし、ビートルズやクラシックなど洋楽のラインナップはかなり揃っていて、プロが選んでいるセットリストもかなり良いので、邦楽なんて聞かない洋楽ファンにはとくにお勧め。

次に「Amazon Music」だ。amazonのプライムサービスに加入していれば無料になる。お得感はあるが、セットリストが使いにくい。また洋楽中心である。まだ発展途上のサービスだ。

最後に本家Androidインタフェースの「Google Play Music」。正直言って何がやりたいのかよくわからない。邦楽もあるんだけど整理されてない感じ。ただAppleより安い価格設定は魅力。Google Japanに頑張ってもらおう。

ストリーミング・サービスを見てきて思うことは、セットリストの使いやすさがポイントである。

その点ではApple Musicでさえ改良の余地は大きい。だからまだまだ上位勢の入れ替わりは可能である。ただそのことにいまだ気づいてない業者がいる。そういうところは淘汰される。

と言うことで、現状では安定のApple Music、邦楽志向ならKKBOX, 安く聞き流すならスマホUSENがおすすめ。

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さらにCD並の高音質をうたうロスレス・ストリーミングやPCMやDSDのハイレゾ・ストリーミングがあるが、ポップスは対象外なので省略する。

 

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