TV版のその後を描いた「SHIROBAKO」劇場版。TVアニメ「第三飛行少女隊」製作から4年後、ラインプロデューサーとなっていた宮森あおいが所属する武蔵野アニメーションの業績は低迷していた。そんな時、オリジナル劇場アニメ制作の案件が武蔵野アニメーションに持ち込まれる。製作期間は短く人材もいない状況の中、あおいはどうすればいいのか。
監督:水島努
声の出演:木村珠莉、佳村はるか、千菅春香、高野麻美、大和田仁美、佐倉綾音、檜山修之
あらすじ
武蔵野アニメーション(ムサニ)に入社した宮森あおいは、TVアニメ「えくそだすっ」、「第三飛行少女隊」に制作として関わり、両方とも成功を収めた。
4年が経った2019年、武蔵野アニメーションは制作途中のアニメ制作が中止になり大きな社員をリストラし、「第三飛行少女隊」続編も他社に元請を奪われていた。
そんな時あおいは、今は武蔵野アニメーション社長となった渡辺からオリジナル劇場アニメ制作の案件を聞かされる。
元の制作会社が制作を中途放棄したため、武蔵野アニメーションにお鉢が回って来た。制作期間が10カ月しかなく、「空中強襲揚陸艦 SIVA」というタイトルが決まっているだけだ。
かつて制作中止となったアニメの設定などを引き継ぐことにし、そのアニメの監督だった木下や脚本家舞茸を再起用した。そして作画監督安原やCG藤堂、脚本今井、声優坂木をはじめとする、かつてあおいと共に高校でアニメを制作したスタッフが集まった。
スタッフが団結して作業した結果、公開日までになんとか完成する目途がつく。
SIVAの制作を放棄した制作会社から、契約上はこちらに権利があるはずとのクレームを受ける。この制作会社は、期限を守っておらず、契約に違反した場合契約を破棄できるという条項をメーカー・プロデューサー宮井に突き付けられ、クレームを取り下げた。
公開3週間前にSIVAは完成する。しかし木下は、終盤のテンポに平坦さを感じた。木下の意を汲んだあおいは、スタッフの前で終盤の作り直しを提案した。スタッフはあおいの熱意に同調し、木下は作り直すことを決意しました。
3週間後、感動的なエンディングを迎えるSIVAは無事一般公開された。
雑感
TV版と展開が変わらず、感動的とは言えなかった。佐倉綾音の演じたメーカープロデューサー宮井は全く必要なくあおいが一人で仕切っても十分だった。アニメからの要請でなく製作委員会の押し込みだろう、製作臭がぷんぷんした。
最後に作り直しを決断するのがナベ社長でなく「あおい」ラインプロデューサーというのは、感動ポイントなのだろうが、単なる予定調和だから心に残らない。
この映画が言いたかったことは、劇中で丸山前社長の言った「締め切りに間に合わせること」だろうが、それは成功するか否かが不明なTV版の話であって、この作品の劇場版は納得するまで作り込んでほしいと思った。同じ水島努監督の劇場版「ガルパン最終章」がそのようなやり方で作っているからだ。
スタッフ
原作 – 武蔵野アニメーション
監督 – 水島努
シリーズ構成 – 横手美智子
キャラクター原案 – ぽんかん⑧
キャラクターデザイン・総作画監督 – 関口可奈味
美術監督 – 竹田悠介、垣堺司
色彩設計 – 井上佳津枝
3D監督 – 市川元成
撮影監督 – 梶原幸代
特殊効果 – 加藤千恵
編集 – 髙橋歩
音楽 – 浜口史郎
音楽制作 – イマジン
プロデュース – インフィニット
声のキャスト
プロデューサー宮森 あおい 木村珠莉
作画監督安原 絵麻 佳村はるか
声優坂木 しずか 千菅春香
CG藤堂 美沙 髙野麻美
脚本協力今井 みどり 大和田仁美
タロー 吉野裕行
ケーキ屋本田 西地修哉
制作矢野 山岡ゆり
作画瀬川 山川琴美
作画遠藤 松本忍
木下監督 檜山修之
山田監督 浜田賢二
演出の円 斎藤寛仁
脚本家舞茸 興津和幸
ナベ社長 松風雅也
丸川元社長 高木渉
総務興津 中原麻衣
CG下柳 間島淳司
仕上堂本 伊藤静
原画小笠原 茅野愛衣
アニメ講師杉江 小柳基
作画監督井口 沼倉愛美
平岡 小林裕介
佐藤 米澤円
安藤 葉山いくみ
久乃木 井澤詩織
メーカープロデューサー宮井楓 佐倉綾音