「女の園」に続く木下恵介監督作品。小豆島の静かな漁村を襲う戦争の悲劇を描いた壷井栄の原作小説を木下自身が脚色している。主演は高峰秀子、共演は田村高廣、月丘夢路、小林トシ子

 

あらすじ

 
昭和三年新任教師大石久子は「おなご先生」として岬の分校に赴任した。一年生十二人の瞳が可愛かった。ある日大石先生は子供達の悪戯で足を挫いてしまう。学校を休んだ大石先生を、子供達は親に黙って見舞いに来てきてくれた。
その直後、大石先生は本校へ転任する。数年後五年生になった子供達は本校へ通ってきて再会を果たす。大石先生は見合いを勧められ結婚した。
子供たちが卒業するのに合わせて久子は先生を辞めた。教師として戦場に子供達を送り出すのが嫌になったのだ。
八年経った。久子の夫を戦死した。成長した子供達も三人の男の子が戦死し、コトエは結核で死んだ。終戦の翌年に久子は再び分校の教師になった。新しい教え子の中にはかつての生徒の子供もいた。
ある日、昔の教え子たちが歓迎会を開いてくれて、思い出話に花を咲かせた。翌日から久子は彼らが贈った自転車を漕いで分校に通うのだった。

雑感

 

 名作である。静かに反戦を訴える映画だ。
ただし、若い連中が読んでも戦争の被害者意識しか生み出さないのではないか。彼らは戦争で被害を受けたのが、日本人とアメリカ人だけだと思っている。他の民族も酷い目にあったことを忘れてはならない。

 

 

スタッフ・キャスト

監督・脚本 木下惠介
原作 壺井栄
音楽 木下忠司

配役
高峰秀子
月丘夢路
井川邦子
小林トシ子
田村高廣
笠智衆
明石潮
天本英世

二十四の瞳 (木下恵介) 1954 松竹

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