常染色体優性先天性疾患(トリーチャー・コリンズ症候群)により顔面が先天的に変形している子供オギ-が10歳から初めて学校に通い出し、世間の荒波に揉まれて、友人や家族と共に成長する物語。
主演はイケメン子役ジェイコブ・トレンブレイが特殊メイクを施している。共演はジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソン、イザベラ・ヴィドヴィッチ。
映画「エレファントマン」の場合、同じ遺伝子病でもプロテウス症候群といい、全身に変形が起きるので、オギーの場合とは異なる。
あらすじ
両親はそれまで自宅学習をさせてきたオギーを五年生から学校へ入学させる。オギーは昼休みにモンスターと呼ばれ、イニシエイションを受ける。放課後、オギーはヘルメットをかぶったまま家に帰る。
オギーの姉ヴィア視点。ヴィアはチヤホヤされる末っ子オギーに嫉妬を感じていた。そのうえ親友ミランダと上手く行かない。ヴィアはジャスティンと仲良くなるが、一人っ子だと嘘を付いてしまう。オギーの好きなハロウィンになる。初日から唯一仲良しになれたジャックがオギーを嫌っているのを聞いてしまう。家に帰るオギーはハロウィーン・パーティに行かないと言い、クラスから「触ると病気がうつる」といじめられたと泣き出す。ヴィアは優しくなだめて、オギーとお菓子を貰いに近所へ出かける。
ジャック視点。なぜかハロウィン以降、オギーに無視されているか?オギーがジャックを拒絶して、サマーという女の子と仲良くなる。オギーはハロウィンの時、ジャックに陰口を叩かれたとサマーに告白する。
演劇部でミランダが主役になり、ヴィアはその代役になる。それでもヴィアはジャスティンがいてくれて良かったと思い、彼を家に連れて行きオギーと母に紹介する。一方、オギーはミランダから久々に電話を受け、いつも弟みたいに思っていると言われる。
ミランダ視点。オギーをかわいがり、宇宙飛行士のヘルメットを送ったのはミランダだった。彼女は両親とうまく行かず、サマーキャンプでは、顔面が変形しているオギーが弟だと、友人に嘘を吐いてしまう。
ジャックはハロウィンのことを思い出し、ジュリアンと一緒にオギーを馬鹿にしたところを聞かれたと悟る。理科の時間にジャックは、先生の指定で隣の席のオギーとチームになる。ジュリアンからジャックがなぜ奇形児とチームを作るのかと揶揄われ、ジュリアンと喧嘩する。
演劇発表会の日、オギー家が全員出席してるのをミランダは見つけ、代役ヴィアのため、その日だけ役を代わる。家族は彼女の主演に驚き喜ぶ。おかげでヴィアとミランダは仲直りできる。
オギーとジャックは仲直りして、二人は理科発表会で優勝する。負けたジュリアンはオギーに嫌がらせするが、事態の報告を受けた校長はジュリアンと両親を呼び停学二日を宣する。モンペの両親には怒りだし、新学期から息子を転校させることにする。
オギーとクラスはサマーキャンプに行きジャックと森で遊ぶが、七年生の先輩が暴行する。それを見掛けた、がたいのでかいクラスメートがオギーらを救出する。
オギーはキャンプから上機嫌で帰ってきた。
終業式では、優秀な生徒に贈られるメダルが、今年はオギーに贈呈される。
雑感
人間は顔かたちじゃないという話だ。
オギーからの被害者視点で語るばかりでなく、周囲の人間の一人称でも語っていたところは、群像劇的で面白かった。
しかし全体として、出来過ぎな話に感じた。
オギーの正体はイケメンのジェイコブ少年だったことも、かなりずっこけた。彼も芸能界に長くいると,多くの子役のように汚れていくかも知れない。
ジュリアン君は最後は良い人になっていたが、両親が差別主義者なのだから、子どもも差別主義者のままで構わないと思った。それも一つの考え方だから、仕方ないと思う。
敢えて、ジュリアンを良い人として終わらせたければ、彼の視点で最後に独白シーンを入れた方が良い。
スタッフ・キャスト
監督 スティーブン・チョボスキー
脚本 ジャック・ソーン、スティーヴン・コンラッド、スティーブン・チョボスキー
原作 R・J・パラシオ「ワンダー」
製作 デヴィッド・ホバーマン、トッド・リーバーマン
製作総指揮 ジェフ・スコール、ロバート・ケッセル、マイケル・ビューグ、R・J・パラシオ、アレクサンダー・ヤング
音楽 マーセロ・ザーヴォス
撮影 ドン・バージェス
配役
オーガスト(オギー)・プルマン – ジェイコブ・トレンブレイ
母イザベル – ジュリア・ロバーツ
父ネート – オーウェン・ウィルソン
姉オリヴィア(ヴィア) – イザベラ・ヴィドヴィッチ
トゥシュマン校長 – マンディ・パティンキン
ブラウン先生 – ダヴィード・ディグス
ヴィアの親友ミランダ – ダニエル・ローズ・ラッセル
ヴィアの恋人ジャスティン – ナジ・ジーター
オギーの友人ジャック – ノア・ジュープ
オギーの友人サマー – ミリー・デイヴィス
いじめっ子ジュリアン – ブライス・ガイザー