欧米各国でアナログ盤が人気を呼び、中古盤が高騰し始めている。それもDJ目的ではなく、純粋なリスニング目的で広がっている。そこでいても立ってもいられず、アナログシステムを13年ぶりに復活させた。
 

ターンテーブルは Garrard社の中古やLinn社の現役製品も考慮したが、なかなか出物がない。やがてWilson BeneschのターンテーブルにSME 3010Rを載せる話がまとまりかけた。しかしいざ取り付けてみるとターンテーブルを補修しなければならないことがわかり、ご破算になった。
 

次に白羽の矢を立てたのが、130年あまりの歴史を持つスイス Thorens 社が 1984年に発売開始した TD321 というショートアーム専用の中古アームレス機である。ベルトドライブ機だが独自のフローティングメカを持ち、床の衝撃を受けにくくなっている。部屋の広さと価格差から音質が良いロングアーム専用の TD521 は断念した。

 

音は悪くてもカートリッジ交換が可能なユニバーサルアームと決めていたので、アームは英SMEの3009Rを選んだ。もともとターンテーブルに据え付けてあったが合計で20諭吉掛かった。
 

手に入れてから音出しするまで2か月が掛かった。まずターンテーブルとアームそれぞれの取扱説明書のコピーをハイファイ堂で3000円払って送ってもらった。取扱説明書はレコードショップで扱っているらしかった。
 

それを見て組み立てるとベルトドライブが緩んでいる。急いでベルトドライブの新品を注文した。在庫があると言った店でも入手するまでに一週間かかってしまった。
 

プレーヤーの慣らし運転をしていたが、突然止まってしまった。交流100Vをアダプターで変換してターンテーブルに送り込んでいるが、 テスターでアダプターの電位差を測定すると数mVを示している。どうやら断線しているらしい。仕方なく、アダプターも注文した。
 

わが家の照明ではストロボスコープが使えないので、安いタコメーターを買ってきた。英文の取扱説明書が付いているだけだったが、何とか使えた。それによると毎回速度は変わり平均すると33.3回転よりわずかに下回っているようであるが、TD321の速度調整は裏返さなければ出来ないようなのだ。疲れ果てたのでひとまず良しとした。
 

これで一部で音が良いと有名な応研のフォノイコライザ(2諭吉ぐらい)を買い、デスクトップシステム(CD:Revox、アンプ:エルサウンド)のラックをロシア白樺のもの(5諭吉ぐらい)に新調して、一通りのアナログ再生システムは揃った。しかしまだ完成ではない。(続く)

 

 

 

レコードの復活(1)

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