(⭐︎)メロドラマ

19世紀にオーストリア・ハンガリー二重帝国1889年に起きた皇太子心中事件(マイヤーリング事件)を基にした、1957年アメリカNBC放送のテレビ映画。
ハプスブルク王朝ルドルフ皇太子男爵令嬢マリーの儚い恋の行き着いた果てを描く。

監督は、このドラマのオリジナルであるフランス映画「うたかたの戀」を撮ったアナトール・リトヴァク
主演は、メル・ファーラーオードリーヘップバーン夫妻。
白黒放送

雑感

皇后陛下(宝塚歌劇団などの演目として有名なエリザーベット皇后)は、結婚当時こそ開明的で皇族のシンボル的存在だったが、保守的な皇族の中で浮いてしまい、今や外遊ばかりしている。
その実の息子であるルドルフ皇太子は、皇族と交わらず民間人と友好関係を深めて自由主義に傾倒していた。そのため実父のフランツ・ヨーゼフ1世とソリが合わなくなった。
やがて、ルドルフの婚姻問題や友人の新聞社社長セップス逮捕で両者の間の溝は埋めようのないものになっていく。

なお、前作「うたかたの戀」と比べて、愛人マリー(相性シシー)の兄についてのエピソードがカットされた。
それだけ尺は短くなっている。

この事件は、徹底的な捜査が行われたわけでないので、真相は藪の中である。
1898年にエリザベート皇后は暗殺され、皇帝の後添えとなったゾーイ皇后は第一次世界大戦後帝国が崩壊し、亡命後も生きながらえた。
彼女はウィーンに戻った1983年に事件は心中でなく、暗殺事件だったと告白して状況証拠を挙げている。
しかし、真相はまだ分かっていない。

キャスト

マリー・ヴェッツェラ(男爵令嬢): オードリー・ヘプバーン
ルドルフ皇太子: メル・ファーラー
ターフェ首相: レイモンド・マッセイ
エリザベート皇后: ダイアナ・ウィンヤード
皇帝フランツ・ヨーゼフ1世: ベイジル・シドニー
ラリッシュ伯爵夫人(ルドルフの従姉) : ジュディス・イヴリン
ヴェッツェラ男爵夫人 : イソベル・エルソム
ロシェック(ルドルフの召使): イアン・ウルフ
モーリッツ・セップス(新聞社社長) : ジョン・マクガヴァン
ステファニー皇太子妃: ナンシー・マーチャンド
ハンナ・ヴェッツェラ(マリーの姉): ピッパ・スコット

 

スタッフ

監督、製作  アナトール・リトヴァク
衣装デザイン  ドロシー・ジーキンズ
音楽監督  ジョージ・バスマン
原作  クロード・アネうたかたの戀
脚色  イルムガード・フォン・クーベ
英語版脚色  アンドリュー・マックロー

 

ストーリー

オーストリア=ハンガリー二重帝国の皇太子ルドルフは、民主運動に理解があったがゆえに皇帝に疎まれ、政略結婚をさせられ不満を募らせていた。さらに首相の命を受けた警察によって皇太子の友人の新聞社社長が逮捕される。皇帝に対する彼の怒りは、爆発する・・・。

彼はある日、公園で若き男爵令嬢のマリーと出会う。マリーは、ルドルフの身分を知らないままに魅かれた。そして、ルドルフが身分を明かしても、マリーの純粋な愛情は変わらなかった。彼にとって初めての恋だった。

皇帝は、スキャンダルを恐れて皇帝は、強権発動して2人を引き離そうとする。
それに対して、ルドルフはマイヤーリングの別荘での心中を選び、マリーも同意する。

 

 

マイヤーリング Mayerling 1957 米NBCテレビ製作・放送 – オードリー・ヘップバーン主演のテレビ・ドラマ

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